対山形戦(10−03A)。

09シーズンから持ち越し,な課題でありますが。


「縦」であります。


 となると,ビルドアップ段階ではなくて,「仕掛け」の話です。
 ビルドアップに対するイメージは,一定程度共有されているのかな,と思うのですが,仕掛けにどう繋ぐのか,というところで不明確な印象が残っています。


 そのために,面倒な課題を抱えることになっているのかな,と感じるわけです。いつも通り,1日遅れな山形戦でありますが,ちょっと感じるところを中心に書いていこう,と思います。


 ひとつの考え方として,「勝ち点3」という結果を最優先すべきであって,であるならば守備バランスという方向性からのゲーム・プランも持っておくべきである,と。ひとつの理だな,と思いますし,チーム・バランスが崩れる時間帯がある,というのは山形戦に限らず浦和にとっての課題であろう,と思います。さらに。「結果」という要素にしっかりとこだわって戦っていくのであれば,当然にバランス感覚は要求されるところです。そのときに,「ボール・コントロールをどのエリアで奪い返すか」というイメージを,しっかりと固めておく必要があるように感じられます。中盤でのプレッシング,と言いますか,チェイシングが中途半端な形になっていると,攻撃方向に人数を掛けている,そのネガティブをそのまま守備ブロックが背負ってしまうことになります。


 同時に,「仕掛けの形」がまだ,固まりきっていないな,とも感じます。09シーズンにも書いたことでありますが,「攻め切れていない(=攻撃をフィニッシュで終えることができない)」から,チーム・バランスが崩れている,という見方も成り立つな,と思います。現段階で,より大きな課題として考える必要があるのは,攻撃面かな,と思います。
 ちょっとラグビー的な言葉で書けば,“ブラインドサイド”に意識が傾くのが,09からの浦和の特徴でありましょう。ブラインドサイドを意識するのはいいとして,もうひとつ意識してもらいたいのが,言うまでもなく“オープンサイド”であります。ありますが,なかなかオープンサイドで仕掛けていく,という形にはなってくれない。で人数を掛けすぎる,ということになるでしょうか。オープンでの攻撃オプションが少なくなってしまうような感じなのです。


 そして,冒頭に書いた「縦」であります。


 1トップ,と言いますか,縦方向にちょっとだけギャップをつくった2トップと言うかは別として,トップからボールを引き出すのに,ネガティブな意味でのポジション・フットボール(=パスを繰り出す位置と,再びトップからのリターンを受ける位置がほとんど動かない),という時間帯を生んでしまうと,相手守備ブロックとしては,最も高い位置に構えている1トップに対するケアだけをしていればいい,という形になってしまいます。要は,ポゼッションが相手守備ブロックに対する脅威,につながっていかないということになっているように感じられます。ボールを引き出すための距離感,という意味ではポジティブな方向性になってきつつあるようです。となれば,求められるのは「縦」にどう繋げていくか,です。


 持って,となれば,ドリブルで仕掛けていく,というのも一策。シンプルに,というのであれば,大きな鍵となるのが相手の裏を徹底的に狙っていく姿勢,ということになるでしょうか。浦和の戦力を眺めてみれば,ドリブルを仕掛けに結び付ける,相手に対する脅威にしていく,ということもありうる姿でしょう。そのドリブルを,どれだけ高い位置で仕掛けられるように組み立てるか,であろう,と。


 ・・・とは言いながら,今節「勝ち点1」にとどまったのはセットピースが要因であります。セットピースに関する修正ポイントは,恐らくコーチング・スタッフがDVDなどでチェックをしていくでしょうし,マーキング,エリアに対するディフェンスか,それとも特定の選手に付くディフェンスを仕掛けるか,などは具体的に指摘できるでしょうから,しっかりとした修正を,と思います。
 いずれにしても。「勝ち点2」に相当するレッスンが,この試合にはあったはずです。この勝ち点を取り戻すことはできないにしても,将来的に同じ轍を踏まないことで勝ち点を積み上げていく,ということはできるはずです。しっかりとした確認作業を,と思います。