ひさびさに、欧州カップ戦。

ファースト・ラウンドの段階では,確かに“League”だな,と思うけれど。


 R16からはやはり,「カップ戦」だな,という印象を強くします。さらには,“アウェイ・ゴール”という要素が関わってきているわけですから,アウトサイドからすれば魅力的,なのですが,インサイドからすれば厳しい2試合(あるいは90分ハーフの試合、と言いますか。)だろう,と感じます。


 ということで,ひさびさの欧州カップ戦(UCL)であります。


 さて。“アウェイ・ゴール”が決定的な要素となったのは,バイエルンでありました。


 彼らは第1戦を本拠地であるアリアンツで戦っています。そのときには,2ゴールを奪取するものの,ヴィオラに対して1ゴールを許しています。この段階で見るならば,ビハインドを背負ってはいるものの,純然たる1点差を背負って、という意識で第2戦に,とはならないだろう,と見ていました。実際に,アルテミオ・フランキでのフィオレンティーナはQFへの切符に近付いた,とは言えるのかも知れません。少なくとも,64分までは。その近付いたかに見えた切符を,しっかりと掌中に収めたのはバイエルンであり,その切符を引き寄せたのは,ロッベンのゴールであったわけです。このゴールによって,1,2戦合計でのファイナル・スコアは4−4。勝者と敗者を分けるものが,“アウェイ・ゴール”となり,アルテミオ・フランキで2ゴールを奪取したバイエルンが,駒を進めることになった,と。


 と,厳しいゲームを戦っていたクラブがある一方で,イングランド勢は本拠地で相当な攻撃力を見せ付けたようであります。イングランドびいきとしては願ってもない形,でありますが,アシュバートン・グローブではFCポルトを相手に5−0,オールド・トラフォードではミランに対して4ゴールを奪取し,QFへと進んでいます。


 一時期,欧州カップ戦となると不思議にリズムを崩していたガンナーズが,ここまでの攻撃力を見せ付けてQFへ,ということにある種の感慨を持ったりもするのですが,逆にガンナーズの悪癖を受け継いでしまったのではないか,と思ってしまうのが,レアル・マドリーであります。


 戦力的な側面だけから見れば,R16でカップ戦から下りてしまう,というのは不思議でしかないのですが,フットボールという競技は戦力的な要素だけが決定的な要素,というわけではありません。むしろ,レアルに対する処方箋をしっかりと書いてきたこと,その処方箋をもとに1,2戦を通じてのゲーム・プランを構築,実行できただろうリヨンをほめるべき,なのだろう,と思ったりします。


 さて。もうひとつの「4枚」は,ちょっともったいない(=実際のところを言えば,同じウェスト・ロンドンに住んでいた立場から,スタンフォード・ブリッジに勝ち進んでほしい,と思っている)カードもありますが,これもまた面白いだろう,と思っております。