インディカー・シリーズの話など。

武藤選手が,ニューマン-ハース・ラニガンへ移籍(ホンダのリリース),と。


 なかなか,具体的なイメージが難しいかも知れませんが,アメリカン・モータースポーツ,特にオープンホイーラーの世界では「名門」と呼んで差し支えないチーム,と言いますか,レース屋であります。という感じで今回は,ちょっとだけアメリカン・モータースポーツな話などを。


 アメリカン・モータースポーツ,特にオープンホイーラーのトップ・カテゴリが,インディカー・シリーズであります。この選手権を戦うチームで,いくつか「名門」という形容詞を使えるチームが存在します。


 恐らく筆頭,と言えるのがペンスキー・レーシングでありましょう。シャシーコンストラクターという側面を持っていたこともありますし,フォーミュラ1に参戦していた経験を持ってもいます。レース屋,だけでなく,技術屋集団としての側面をも合わせ持つ,という意味では,マクラーレン的な存在,と言えるでしょうか。
 経験豊かなレース屋,という見方をするならば,チーム・グリーンを基盤とするアンドレッティ・グリーン・レーシングやチップ・ガナッシ・レーシングも(ちょっとだけ新興,と見えますが)名門,と呼べるチームでありましょう。そして,ニューマン-ハースがここに連なる,というわけです。


 さて。彼らが主戦場とするインディカー・シリーズであります。


 バラエティという側面からこのシリーズを見ると,かなり面白いと思います。アメリカン・モータースポーツの代名詞であり,シリーズを特徴付けるオーヴァル・コースがあり,ワトキンス・グレンやミッド・オハイオなど欧州的なロードコースもあり。さらにはストリート・コースまでもが用意されています。オーヴァルはちょっと見ると,変化が少ないがためにちょっと面白さが,などと感じるかも知れませんが,オンボード・カムの映像などを見ると,相当に繊細なコントロールをしていますし,オーヴァテイクの局面は確かにスリリングであります。


 ヨーロッパ的なレースとは,ちょっと違う雰囲気で,違和感を感じるかも知れません。マイナーな存在でもありますから,ちょっと下に見えてしまうかも知れません。知れませんが,独特の魅力があるのも確かであります。今季は特に佐藤琢磨選手の参戦もあり,再び注目されるのではないかな,などと思っています。