ポストSCを推理する。

ラインアップを眺めてみると,ひとつだけテイストが違う。


 時期的なことを思えば,仕方ないことではあります。あるのだけれど,効果的にエッジを使ったデザイン・テイストで統一感を持たせようとしているところに,ひとつだけ柔らかな印象でもあります。

 となると,ディスコンという判断もあるのかな,と感じます。とは言え市販車では,ですけどね。
 レーシング・マシン,そのベース車両として考えると,またまた「中古車選手権」になるのか,ということでありますし,次期ベース車両を考えておく(あるいは新たなベース車両の開発に着手する)必要も出てくるでありましょう。


 リーグ戦の日程も発表されまして,臨戦態勢もレベルが上がったな,という感じでありますが,まだフットボールをメインにはせず,クルマな話を。
 オートスポーツさんのニュース記事をもとに,スーパーGTの話を書いていこうと思います。


 いわゆる,“シルエット・フォーミュラ”。


 いまのGTマシンを冷静に見れば,そんな表現ができるでしょう。ストックカー・レーシングを参考にしたというDTM的でもあり,となるともちろん,本家であるNASCAR的でもあり。ではありながら,車両規則を片手にベース車両を設計する必要がないか,と言われれば,そのようなことはないと感じます。


 グループA規定が施行されていた当時は,各メイクスがレギュレーションを徹底的に読み込んだ結果としてのベースマシンを持ち込み,選手権を戦っていました。

 恐らく,この姿に最も近いのが2010シーズンからスーパーGTに投入される“HSV−010GT”ではないでしょうか。確か,ルーフ形状は市販車のフォルムを維持すること,などという規定が置かれているはずですから,リア・ウィングを含めて空力を最適化するには,GTマシンへと仕立てた状態から逆算してルーフ形状をデザインする,というアプローチもあり得るだろう,と思うわけです。そして,ホンダはGTマシンにグループA的な手法を持ち込んだ,ようにアウトサイドからは見えます。


 レギュレーションに苦しめられてきた(,と少なくとも個人的には映る)ホンダとしては,そのレギュレーションを徹底的に読み込み,ギリギリを突く,という判断をしてきただろうな,と思うわけです。
 ホンダと同じアプローチをするか,それともどうするか。
 レクサス・ディビジョンにはLF−Aというタマがありますし,トヨタ・ディビジョンには次期スープラ,というウワサもあったりします。この次期スープラを,ベース車両として特化させる(必要最低限の生産でホモロゲーションを取得する),という方向性だってあり得るだろう,と。

 必ずしも強い思い入れを持つメイクスではありませんが,どのようなマシンを投入するのか,注目していきたいと思います。