カントリーマン。

冷静に考えれば,「らしい」名前です。


 オースチン・ミニ時代に,4WDの設定はありませんでした。
 ちょっとUS的な,アウトドア・ライフをイメージさせるステーション・ワゴンに“カントリーマン”という名前を使ったわけですが,当時の開発陣がこのクルマを見れば,やはり同じように“カントリーマン”と名付けるかも知れません。


 今回は,webCGさんのニュース記事をもとに,BMWミニの新たなモデルについて,書いていこうと思います。



 いつものように,ちょっとスタイリング方向から話をはじめますと。


 まずは,4ドア・ボディが意外にしっくりきます。

 2ドアで完結しているデザイン,という印象がオースチン時代から強く,かつての4ドア・モデルはディビジョンが違う(たとえばモーリスであったり,バンデンプラであったり)ために,ちょっとばかり上級移行した形になっておりましたが,このカントリーマンはカジュアルさを失うことなく4ドア,であります。
 思うに,でありますが,リア・セクションを必要以上に大きく拡大しなかった,というのがいい方向に影響しているのでありましょう。ワゴン,というよりはスポーツバック的なデザイン処理をすることで,2ドアとの共通性を作り出し,同時にユーティリティ性を持たせる,と。

 デザイン部門のそんな計算(あるとして),私は成功していると思います。

 続いてディテールを見ていきますと,オーバーフェンダーの処理が,“オールロード”的であります。
 恐らくは,「アウトドア」という要素を押し出すためでありましょう,あえてフェンダー・フレアを塗装していない,というのがヨーロピアンらしいな,と。


 このカントリーマン,ガソリン・エンジンで3種類,ディーゼルで2種類が用意されるとのことです。最上位がターボ・チャージのクーパーS,次いでクーパー,ボトムレンジがワン,という形であります。オリジナルの2ドアですと,ワンがいいな(クーパーSもいいけれど,無理せずプリ・オウンドでもいいかな。)と思うところでありますが,オリジナルよりも長い距離を使いたくなる感じのモデルでもありますし,これはクーパーSもいいな,と思うところであります。とは言え,正直なことを言えば,「旅の友」として最も相応しそうなのはディーゼルを搭載したモデルであるような,そんな感触を持っています。
 日本市場のディーゼル規制,その厳しさを思えばそう簡単に導入はできないだろう,とは思いつつも,低回転からトルクフルなエンジンというのは,長距離を走破するには絶好でもあるし,ぜひともBMWにお願いしたい,と思うところであります。