FT-CH。

どこか,理詰めな印象が強いハイブリッド。


 「走ってナンボ」なんて言葉と,ちょっと違うところにあるという印象もないではなく。合理的な移動手段としてクルマを見るなら,なんて留保文言を付けたくなるわけです。


 でも,クルマの楽しさ,その真ん中にあるのは「走ってナンボ」なのも間違いないところです。


 市街地の交差点を曲がるだけでも楽しいし,オープン・ロードはさらに楽しい。ハイブリッドだって,そんな楽しさを表現していいのではないか。
 そんなことを,トヨタの開発陣も思ったのでありましょう。クールな(理詰めな)デザインから,ちょっと踏み出してきました。もちろん,現段階ではコンセプトではあるのですがね。



 フットボール関連,ではなくて,webCGさんのニュース記事をもとに,トヨタのコンセプトな話を書いていこう,と思います。


 さて。デトロイト・ショーに出展しているスタディ・モデルは“FT−CH”と言うそうであります。現段階では純然たるコンセプトでもありますし,デザイン面でどうこう,という話はあまり大きな意味を持たないかな,とは思います。
 むしろ興味深いのは,ディメンションであったりデザイン・テイストの変化でありましょう。ご先祖さま(初代プリウス)の大きさに戻った,という言い方もできますし,ワイド&ロー,というデザイン要素を持ち込むことで,スポーティさをハイブリッドに持ち込んできた,という言い方もできようか,と思います。ご先祖さまの大きさへと戻った,というのはハイブリッドのフルライン化を意味するものでありましょうし,デザイン面で新たな方向性,というのはハイブリッドが「特別な意識」を持って買う,という存在からフツーのクルマへと近付いてきた,という意味合いを持っているか,と感じます。


 ちょっと昔の表現を持ち出してみるなら,ハイブリッド版のホットハッチ。


 どれだけ,操って楽しいのか,などはこのクルマが量産型に近いコンセプト(実戦的なデザイン・スタディ)へと進化を果たしていかないことにはなんとも,なのですが,少なくとも面白い提案がトヨタサイドから出されたな,とは思います。デトロイトでどのような反応が出てくるか,にもよりましょうが,欧州方向からの反応は結構いいものがあるだろう,と思いますし,量産化もあり得る話だろう,と期待するところです。