いよいよ量産型なCR-Z。

ひさびさの,ライトウェイト・スポーツ。


 特にホンダにとっては,シビックが上級移行(ほぼ,Dセグメントど真ん中のセダン・ボディ)してしまっていますから,ライトウェイトを担うクルマが不在でありました。フィット,という選択肢もありましょうが,ホットハッチという言葉が相応しいような気もします。


 となると,ホントにひさびさ,であります。


 ということで,フットボールとはまったく関係ない話であります。ホンダさんのプレス・リリースをもとに,デトロイト・ショーで量産型が発表されたCR−Zについて。



 いつものようにデザイン面から見ていきますと。


 コンセプト段階から,ちょっとだけグリーンハウス(ガラスで構成されるエリア)のデザインを変更してきた,かも知れません。サイド・セクションのカットを変えてきたのだろう,と思うのですが,その変更によってCR−Xとの連続性を感じられるようなデザインになったように見えます。
 コンセプトから変わった,という意味では,サイドに走るプレスラインがより強調されたこと,でしょうか。フロント・フェンダー上端付近からBピラー付近にまで斜めに走るラインと,サイドシル上方からリア・フェンダーまで走るラインは,基本的にコンセプトでもありました。ありましたが,不思議とこのオフィシャル・フォトほどには強い印象を与えるものではなかったようにも感じます。イメージ・カラーがホワイトだった,という事情は差し引くべきかも知れませんが,ボリュームを強く感じさせるデザインだったように思うわけです。そのボリュームを物理的な変更ではなくて,デザイン面での調整で削ってきた,という印象を持ちます。


 さて。やはり注目なのは,ハイブリッドとマニュアル・ギアボックスとのコラボであります。


 ハイブリッド・システムの基本発想からすれば,変速に関しても電子制御を徹底して活用する,というアプローチが自然であるように思いますし,であれば無段変速という選択も納得できるところです。ドライヴァが積極的に変速へと関与する,というだけであれば,CVTの変速タイミングを任意に固定して,パドルなどで操作する,という方法がありますし,このCR−Zにも設定があるとのことです。どうしてもギアの感触とダイレクトさが,というならば,クラッチ操作を省略したロボタイズド・マニュアルという方法もあるわけで,まさかCペダルを用意してのマニュアルだとは,量産型コンセプトについてのエントリを書いたときも,半信半疑だったのです。


 このリリースには,ロボタイズドだとは書いてはありません。要するに,クラッチ操作もしてください,なマニュアルであります。


 技術的には,いささか古典的,とも言えるマニュアルですが,操る楽しさという部分を思えば,決してなくなってほしくはないディバイスです。そんな,ちょっと古典的なディバイスを,あえてハイブリッドと組み合わせてみた,と。ともすれば,ミスマッチにも思えるコンビが,どんな面白さをドライヴァに伝えてきてくれるのか,2月26日以降ですと,実感できるとのことですから,楽しみにしたいと思います。