ポスト・サテライト。

今季ベースで言えば,1シーズンに6試合が組まれるのみ。


 実戦を通じて育成・強化を,という目的があるとして,その目的を達成するに充分な試合数か,と言われれば,不充分であると言わざるを得ないでしょう。


 トレーニングから実戦をこなし,実戦の結果をフィードバックする形でトレーニングに戻り,新たな実戦へと備える。


 このリズムを,構築できているとは言いがたい試合数です。


 実戦機会がそもそも少なすぎる,という問題もあるし,実戦機会とトレーニングが結び付いていかない,という問題もあります。であれば,中止の方向性はあって然るべきだ,と。


 けれど,単純に中止すればいいのかどうか。サテライト,であります。


 いささか古い話になりますが,こちらの記事

 リーグは14日、理事会を開き、来季からサテライトリーグを中止することを決めた。今季は土日分散開催の影響で日程が調整できず、全試合消化できなかった。鬼武チェアマンは「各クラブの経費負担も理由の一つ」と、説明した。


という記述があるように,2010シーズンでのサテライトはない,とのことです。


 確かに,クラブの体力は大きく異なってきています。ファースト・チームの移動だけでも結構な負担をクラブに強いているのに,セカンド・チームまでの大幅な移動は,厳しい経済情勢にあっては難しい。そういう判断が働いたとしても,無理はないな,と思うわけです。


 ただ,同時に思うことですが。


 2009シーズンまでは,Jクラブを数グループに分割する形でサテライト・リーグを組む形でありました。ホーム・アンド・アウェイという形を取ってはいますが、絶対的な試合数も少なく,同時に試合間隔もあまりに不定期でした。実戦で得られた課題をクリアする,という段階までは踏めるとして,課題がクリアできたかどうか,という効果測定をするチャンスが定期的に訪れている,とは言いがたいわけです。これでは,育成・強化段階の選手を「錆び付かせてしまう」ということにもなります。他クラブへのローン,という手段も一策でしょうが,それだけで足りるか,と。


 サテライトが,このままでいいはずもない。


 であれば,解消の方向に向かうのは当然のこと。ではあるけれど,育成・強化の機会が失われていい,というわけでは決してない。


 クラブが柔軟な発想で,というのも当然に一策ではあるけれど,JFAなり,Jリーグが積極的にコミットしていく,という方向性もあっていいのではないか。


 Jだけで完結するのではなくて,JFAとの連携から,何か策はないか。そんな観点から,ちょっと考えてみようと思います。