「あとちょっと」のための裏付け。

駒場でOBマッチ,と。


 西野さんや,水内さんのブログからすると,相当長い準備期間を経てのこと,であることがうかがえて,「やっと」形になった,という思いなのだろうな,などと思います。


 こちらとしても,すごく楽しみなゲームですね。ちょっとだけしまっておいた箱を引っ張り出してくるような,そんな感じもします。
 この駒場での特別なゲーム,現段階では5000限定であると。チケッティングなどを飛ばすために,という意味もあるのかも知れませんが,ちょっともったいない気もします。メインだけが埋まる駒場,ではなくて,フルハウス駒場で,などと思ってしまうところであります。


 と,まったく本題とは違う話をマクラに持ってきたわけですが。


 今回は,清尾さんのコラムをもとに書いていこう,と思います。


 2009シーズンに限定して,という話ではないな,と思います。貯金を崩しはじめたかも,というのは2007シーズンあたりでも感じられたことかな,と。


 フィジカルであります。


 2009シーズンは,フィジカルという基盤をしっかりと要求するフットボールへと明確に転換してきましたから,フィジカルが厳しくなると,そのままフットボールへと影響が伝わっていった,とも言えるように思います。


 「あとちょっと」。


 繰り出されるパスに対して,微妙なズレがある。
 相手ボール・ホルダーに対して,詰め切れない局面がある。


 アウトサイドからは,ともすればメンタルで解決できるような問題であるように感じられるときがあります。気持ちが身体を動かす,というのは確かにあることですが,

 「最後まで頑張れと言っても、走る体力が残っていなければ、気持ちだけでは頑張れないだろう?」


というハンス・オフトのコメントは,「裏付け」の重要性を端的に示しているように思います。そして今季に関してみれば,この「裏付け」がまだ2009スペックなフットボールを支えきるだけのものではなかったのだ,ということになるでしょうか。裏付けが不充分だったことが,結果としてチームの根幹であるべきフットボール・スタイルへの確信を揺るがせてしまうというネガティブをも導いた。


 気持ちが,身体を動かしてくれるのは,確かなこと。


 けれど,身体を動かすための「裏付け」が充分であれば,その気持ちを引き出しやすくなるのもまた,確かなこと。2009シーズンは,気持ちとフィジカルのバランスがあまりいい状態ではないまま,乗り切らざるを得なかったとするならば,2010シーズンはこのバランスを,最適点へと近付けるところからはじまる,と考えてもいいように思います。


 2009の蓄積は,2010でのバランスにつながってくれる。
 浦和が狙うフットボールを表現する,そのための「裏付け」がどれだけ大きくできるのか,という側面からも,シーズン・オフは重要な期間ということになろうかと思います。