近藤選手移籍に寄せて。

言葉にしてしまうと,いささか軽いのだけれど。


 めぐり合わせ,という言葉が浮かびます。


 もちろん,ポジティブな意味で使えるめぐり合わせ,ではありません。ネガティブな意味で使わざるを得ない言葉である,めぐり合わせ,という言葉が。


 今回は,クラブからのリリースをもとに,近藤選手のことを徒然に。


 そのめぐり合わせ,好転するのではないか,と思ったときもあります。


 ローンされていた愛媛FCからの復帰,というアナウンスがされたときです。確か,当時の愛媛FCは4だったと記憶していますが,浦和は3でした。戻す,という決断があったからには,何らかの戦術的なギアチェンジがあるのではないか,と考えたわけです。


 2007シーズンは,「個」としてのパフォーマンスを絞り出すかのような戦いを続けることで,アジア・タイトルを奪取するとともに,FCWCという舞台を踏むことになったわけですが,「個」に対する負担が強烈なものだった,ということをリーグ最終節が示してもしまった。チーム・バランスを組織,という方向性にちょっとだけ振るのではないか,と思ったし,振らなければチームに掛かる負荷で,選手が潰れてしまいかねないのではないか,と思ったわけです。


 でも,実際には戦術的なギアチェンジを仕掛けはしなかった。であれば,「戻した意味」が失われているのではないか,と思ったのです。


 ならば,新指揮官での2009シーズンは,「勝負のシーズン」だと思っていたでしょう。個人的には,4の経験が生かせるという部分でチャンスは大きい,と思いました。そんなシーズンにあっても,チャンスと背中合わせでケガが付きまとっていたようです。


 4へと軸足を変えた今季、実戦機会に恵まれなかった。これは,近藤選手にとっても大きな意味を持ったか,と思います。期待を持ってみていた立場からすれば,寂しい限りな話です。ですが,フットボール・フリークとして言うならば,フットボーラーとして「ピッチに立つ」ことを大事にしてほしい,とも感じます。


 岡山では,しっかりとした存在感を「ピッチで」示してほしい。そう,思います。