対抗戦入替戦。

対戦相手に対して,敬意を払うこと。


 重要な要素である,と思います。


 相手が狙う戦い方に乗ってしまう,ということを「敬意」とは呼ばないだろう,と。しっかりと敬意を払っていないから,相手の姿を必要以上に大きく見てしまうのではないかな,と思うところもあるわけです。

 相手がどのような戦い方をするのか。その戦い方を,どのようにして抑え込むべきか。そして,相手を抑え込んだあとに,どのようにして自分たちの戦い方へと引き込むか。


 徹底して相手をスカウティングすること,相手の狙う戦い方ではなくて,自分たちの戦い方へと相手を引き込んでいくことに加えて,相手の強みを抑え込んでいくための方策を組み上げていくことを含めて,100%の戦いを真正面から挑むための準備をすることを敬意と呼ぶのではないか,と思うわけです。


 さて。フットボールではありますが,楕円球なフットボールであります。


 対抗戦Aグループと,Bグループの入替戦であります。勝負権は持っているだろう,と期待をかけてはいましたが,ものの見事に「経験値」で差を付けられたような印象です。同時に,「足りないもの」があることを示されたのだろう,と思うところもあったりします。


 入替戦は,それほど簡単ではない。当然であります。Aグループだけを考えてみても,相当な実力差があるのです。優勝を狙えるだけのポテンシャルを持ったチームは,それほど多くはありません。であれば,厳しい話ではありますが「勝ち点」奪取を視界に収めるのが難しい(入替戦を常に背負っていなければならない)チームも,確かにあるわけです。


 けれど。厳しいリーグを戦ってきている,とも言えるわけです。


 Aグループへの参戦権を奪い取ろうとなれば,その厳しいリーグ戦を戦ってきた相手を上回る何物か,をフィールドで表現できなければいけないはずです。そのときに,対戦相手へ100%で挑むための準備ができていたか,と。


 Aグループへ戻るために,何が欠けていたのか。


 Bグループで首位を奪うことだけでは足りない,ということが,今季の結果からは導けるか,と感じます。着実にチーム・ビルディング(と言いますか,再構築)が進んできている,ということは受け取れますが,相手の強みを抑えながら,自分たちの強みを,というレベルにまでは到達しきれていない,ということでしょう。チャレンジャーらしく,猛然と仕掛けられるようになると,ひとつ壁を超えられるかな,などと思ったりします。