Giulietta.
ボクシーなのが,アルファ。
そのような感じも,確かにあります。
アルファ,という存在が現実性を伴ってきた時期は,比較的ボクシーなデザインを採用していた時期に重なります。当然,BTCCやDTMのイメージも重なっています。それだけに,スポーティなイメージを持ちがちでもあるのですが,実際にパッケージを見てみれば,当時のアルファも,相当程度に実用性を高めたものでした。
・・・要は,クオリティが付いていけなかっただけで(大いなる問題ですけどね)。
それほどクロックが進んでいない(はずの)155を思い出してみると,音が出てくるはずはなかろうに,と思うようなところから不思議な音があふれてくる。慣れてしまえば,な音であるのは間違いないのだけれど,出なくていい音が出てしまっている,というのはやはり,高い実用性を狙ったパッケージングであるにもかかわらず,技術が理想に追い付いていなかった,ということを示してしまっているように思うわけです。当時はまだ,“プレミアムD”という言葉はそれほど一般的ではなかったはずですが,それでも競争力に影響を与える話ではあった,と思うわけです。
とは言いつつ。
現代的なアルファは,すでにこういう印象から抜けています。ある意味,デザイン重視で選んだとしても,外れた感覚はないかも,と思います。
さて。今回もフットボールを離れまして,webCGさんのニュース記事をもとにしつつ,クルマの話など。
アルファの新たなコンパクト,“ジュリエッタ”であります。個人的には,ベルリーナとしてのジュリエッタよりも,スパイダーなジュリエッタのイメージが強いのでありますが,“キュート”であったには違いなく。この新たなジュリエッタも,なかなかにキュートなデザインではないか,と思います。
フロント・セクションはこの記事をまとめた本諏訪さんも指摘するように,8CであったりMitoのイメージを引き継いだものになっています。最初に受ける印象はちょっと古典的なのだけれど,ディテールをよく見てみると,現代的な要素も落とし込まれている,と。
視線をサイド・ビューに移してみると,156の面影であります。156は,クワトロポルテなベルリーナ,だったのでありますが,リア・ドアのフィニッシュに仕掛けを施すことで,かつての2ドア・セダン(クーペ)的な雰囲気を持たせていました。このジュリエッタも同じく,リア・ドアのフィニッシュに仕掛けをすることで,3ドア・ハッチバックであるかのような軽快感を演出しているようです。
となると,走らせてどうなのだろう,という興味が出てきますが。
欧州仕様では,ディーゼル,ガソリンともに2つのターボ・モデルを用意しているとのことです。日本市場を考えると,ディーゼル・ターボの線はかなり薄いのかも知れませんが,欧州域内での規制(ユーロ5)をクリアしているとのことですから,アルファのひとたち(フィアットのひとたち,と言い換えるべきかもですが)には頑張っていただいて,「低回転からでも猛然と加速できる」ディーゼルなアルファ,ぜひとも持ち込んでもらいたいと思っています。