5点差という重み(2009高校ラグビー埼玉県予選)。

13点差,という部分から思えば,7点差を詰めてもいます。


 決勝戦という舞台で,彼らと真正面からぶつかった経験が,7点差を詰めていく,というパフォーマンスにつながっている,と思います。


 フットボールな話では,メディアさんが賑やかですが。そちらを取り上げるよりも,もうひとつの軸である楕円球を。高校ラグビーであります。
 マッチ・プレビュー,と言うほど大層なものではないプレビューを書いてみましたが,結果においては概ね想定通り,でありました。ゲームのことはのちほど触れるとして,ちょっと思うところを。


 であれば,“Last Loser”である浦和目線で書いていこう,と思います。


 話戻しまして。


 経験が生きた,というのは深谷にとっても言えるはずです。「要マーク」な相手だ,という意味において。
 彼らにとっても,挑戦を跳ね返すことが求められている。跳ね返す先に,花園への指定席切符があるのですから。そして,5点差という結果が残った。


 2度にわたって跳ね返された側からすれば,結果を引き寄せるために何が足りなかったのか,自分たちのラグビーをしっかりと表現できたのか,という思いがあるかも知れません。知れないけれど。深谷も,かつてそんな経験をしてきています。突き破れない壁でもあるのではないか,と思うほどに,トーナメントでうまくいかなかった時期がありました。準決勝の段階までは,指定席を確保できているような戦いをしながら,決勝戦ではもうひとつの階段を上がりきれずに終わる。そんな,かつての姿が重なります。


 再び対戦相手サイドから考えるならば,5点差にまで詰められたことで,「要マーク」という意識はさらに強まっているはずだ,と思います。結果を出発点にして考えるならば違う見方もできるでしょうが,恐らく意識としては「ワンミスを犯せば,間違いなくやられる相手」として,刻み込まれたものと感じます。


 ステップ,という意味では細かくなってきているかも知れません。反面で思うよりも,高みに到達するための距離がある,と感じるかも知れない。でも,相手にプレッシャーを与えられる立場にまで上ってきているのも,また確かだと思います。


 5点差の重みは,近い将来に意味を持つ。アウトサイドは期待を込めて,そう思っています。