アップセットなんてない(第89回全国高校ラグビー群馬県予選)。

アップセットなんて,あり得ない。


 そもそも,同じ高校生が戦っているだけ。強豪だろうと,歴史を持った古豪だろうと,敬意を失うことなく100%で戦うだけ。そして当然,「勝って楽しむ」。


 そんな意識になれるかどうか。実際には,難しいのかも知れません。


 相手は,「強豪校」としての歴史を積み重ねている。自分たちを振り返ってみれば,切符をつかんだことがない。彼らに,跳ね返され続けている,という事実があるだけ。となると,どうしても萎縮してしまう,かも知れません。


 でも,歴史はあくまでも歴史でしかありません。


 どんなに強いチームを構築したところで,物理的に3年が経過すれば,別物のチームになっているのです。コーチング・スタッフが同じであっても,表現の仕方が違ってもくるし,そこには「隙」が生じる余地だってある。そして,本気でそう思い続ければ,隙から相手を決壊させることもできる,かも知れない。
 そんなことを証明してみせたのが,高商であり,明和県央(高体連ラグビー専門部)だろう,と思うのです。


 埼玉県予選に関しては,テレ玉さんのこともありますし,ここでは書かないでおこう,と思います(準々決勝を含めて,しっかりとやらせていただきます)。そこで,ちょっとだけおとなりの群馬県予選のことを書いていこう,と思います。


 群馬県で,花園への指定席切符を独占してきたチーム。東京農大二高,であります。
 彼らが,「高い壁」として立ちはだかり続けてきた,と言えるでしょうか。
 その壁を突き崩したのが,準決勝での高商であります。
 さすがに,僅差での勝利ではありましたが,壁を超えたという事実を覆すものではあり得ません。
 そして,もう1チーム,農二を超えることを狙ってトーナメントを勝ち上がってきたはずのチームが,明和県央です。


 決勝戦に関してちょっと,立ち上がりの時間帯をTV経由で見ましたが,明和県央の戦いぶりはなかなかに安定していました。早い段階からトライを積み上げることに成功していたし,このままで行けばいいところに,という印象は受け取れました。その印象通りに,切符を手にした。「おめでとうございます。」であります。


 さて。新たな目標であります。
 花園初戦であり,シードという壁が出てくるタイミングまで進んでいくこと。
 そして,その壁に対して県予選と同じメンタルでぶつかっていくこと。


 おとなりの代表チームでありますが,期待したいチームが勝ち上がってきたな,と思います。