Officially Suspended.
まさか,とは思いますが。
レフェリーが,オフ・ザ・ピッチのことを考えてオン・ザ・ピッチの判断をしていたとしたら。
中止という判断が,どうも不思議に思えたのです。
フットボールは,自然条件をも相手にする可能性がある。
ゴルフにせよラグビー・フットボールにせよ,UKのひとたちが好きなスポーツ,そのご多分に漏れず,の話であります。であるならば,プレイヤーや観客が天候条件によって危険にさらされる可能性が高くなければ,試合が中断されるまでには至らないでしょうし,具体的な危険性を回避するための中断があったとしても,試合を終了させられるだけの「クッション」があるならば,試合を続行させることができる,はずです。
この試合では,クッションが少なかった,とは言えるでしょう。考慮すべき要素があった,とも言えるでしょうか。
ただ,最終的なリスク・ヘッジは観客のひとたち,ひとりひとりが判断するところでありましょう。後ろ髪を引かれながらも,帰りの足を確保するという決断をされる方もおられるでしょうし,チームがどのような結論を導くのか,それをどんなことがあっても見届けよう,という決断をされる方もおられるでしょう。これは,ひとりひとりの観客,そのひとたちの判断に委ねられるべき話です。そんな,ひとりひとりの判断をオン・ザ・ピッチのことに集中していて然るべきなひとが,「斟酌」してしまったのではないか,と思えたわけです。
もちろん,このことを確かめる方法など,ありはしないのですが。
こちらの速報記事をもとに,ちょっとだけ。
100%とは言えないまでも,あるべき落としどころではないでしょうか。
フットボールは,90分を戦ってはじめて成立する。規約にはこの精神が反映されていて,規約を直接的に適用するならば,確かに再試合という選択肢もあり得るでしょう。けれど,今回のケースが「不可抗力」だったのか,と思うところもあるわけです。
豪雨で,プレイヤーの視界が奪われた。ピッチ・コンディションも急速に悪化した。ならば,ボールのバウンドをチェックするだけでなく,有効視界がどれほど回復したのか,ピッチにどれほどの水が浮き続けているのか,などを確認することが求められるのではないのか。確認すべきポイントが不足しているように思えたレフェリーの判断,これをして,原則論を適用させるだけの根拠たり得るか。
そして,オフ・ザ・ピッチの状況が判断に影を落としてさえもいるように思える。冒頭に書いた通りです。
となると,今回の結論もあり得る,と思うのです。双方のクラブに負担を強いることになることに違いはないのだけれど,あるべき落としどころではないかな,と思ったりもするのです。