対ガーナ戦(短信)。
失いかけた流れを引き戻したこと。
後半開始直後に,相手につくられた決定機。
追加点を奪取されることになった形です。決定的にリズムを崩すきっかけにもなりそうな,そんな形にも思えました。
相手の特徴を思えば,あり得る「形」です。持ち込まれたくはない形でもありますが,その形に持ち込まれてしまった。
でも,ここからチームは復元力をピッチに表現してきた。得点奪取という要素が埋まることで,チームはリズムを引き戻し,さらには引き寄せることができた。
「形」という部分から見れば,相手最終ラインの裏を狙う,という姿勢を見せ続けることもできた。パス・ワークでエリアを奪うだけでなく,フリー・ランから相手背後のエリアを突きにかかる,という形を表現できている。前半の段階でリズムを掌握できないであるとか,小さなきっかけからリズムを崩してしまうことで,悪循環にはまりがちであることなど,当然ながらに課題もありますが,評価すべきポイントは違ったところにもあるかな,と思います。
まいど,1日遅れでありますがユトレヒトでのガーナ戦であります。
それにしても,なかなか雰囲気のある競技場であります。ゴール裏スタンド,その大きさも印象的でした。
ここでは扱わなかったオランダ戦を含めて,ちょっと短めに。
エンスヘーデでは,局面を支配する(エリアを奪う)という要素では一定程度の収穫を得た,という見方もできるけれど,では「何のために」エリアを奪うのか,という部分で足りない部分がかなりある,という印象を残してしまったように感じます。また,プレッシング・フットボールを90分プラス徹底するのであれば,スターターだけでゲーム・プランを描くのではなくて,交代枠を最大限に活用してのゲーム・プランも描けていないと,フットボール・ネイションズを相手にしたときに自滅する可能性もある,と。
その可能性が,現実として提示されてしまったわけです。
そんな試合から,どのようにしてチーム戦術を整理し直し,フットボール・スタイルとフィニッシュとの関係を意識付けるか。本戦でも,かなりあり得る状況であります。
ファースト・ラウンド初戦から,フットボール・ネイションズとの対戦が組まれる。
彼らは,“ペース”を意識した戦いを展開する。となれば,リズムを掌握できる時間帯,隙も生まれてくる。はずなのだけれど,実際には自分たちのミスから崩れ,勝ち点を確保できずに初戦を終えることになる。ここから,どのように立て直し,第2戦へと向かうか。
まったく同じ,とは言わないけれど,ほぼ同様の構図でもあったわけです。
で,冒頭に戻るわけです。
やはり,イーブンの段階からフィニッシュへ,という形をつくりたい。これは,オランダ戦を含めての課題でありましょう。しかしながら,復元力を表現できたこと,その結果として(敢えて言うならば)「勝ち点3」を得たことは本戦を見据えた戦い方として,ひとつの足掛かりにはなるかな,と思ったりします。