iQ for Sport.

ハイブリッド・システムがすっかり中心となっているトヨタでありますが。


 環境負荷を考えれば,「小さきことは佳きこと哉。」なのであります。


 物理的に小さければ,重量面で有利であります。高価な素材を投入しなくても,軽量に設計することが可能です。ということは,素材選択でちょっとだけグレードを上げれば,エンジン性能を引き上げないで速さを増すことができる,と。たとえば,エンジン・フードをアルミにするとか,ルーフをCFRPで仕立ててみるとか(ちょっと,コストかけ過ぎですけども)。


 さらにエンジンやギアボックスでモディファイを加えれば。サスペンション・ジオメトリーを見直して,「踏ん張れる」セッティングを施せば。


 トヨタの開発スタッフも,似たようなことを考えた,のかも知れません。



 webCGさんのニュース記事,その最後に「オマケ」程度に書かれている,iQをベースにしたコンセプト・モデルについて書いていこうと思います。


 いつものように,デザインな話からはじめますと,フロント・バンパーに大きく開けられたエア・インテークによって,ボリューム感が目立っていたオリジナルと比較して,相当に引き締まった印象を受けます。また,フェンダー・フレアによって迫力が与えられたのは当然として,視覚的な重心が下がったことで,安定感を感じるようにもなっているように思います。
 このスタイリングでありますから,搭載されるエンジンもなかなかに刺激的,サスペンション・ジオメトリーもちょっとだけ変更して,スポーツ方向のセッティングができるようにしているのだろうな,と思うのですが,トヨタさんのリリースではまだアップされていませんし,CGさんもオフィシャル・フォトを掲載しているだけ,と。


 となると,ひとつの究極を書いてみたくもなります。


 数季前まで,JGTCの主戦兵器であった3S-GTを搭載してみませんか?と。フロントに,ではありません。リア・セクションに搭載してみませんか?と思うのです。要は,ルノーの得意技ですね。
 古くは,5をベースにした5ターボ,最近ですとクリオのリア・セクションを大きくモディファイしてV6エンジンを搭載したルノー・スポールV6(レース車両ですと,クリオ・トロフィーなんて言いましたか)のような,スペシャル・モデルもあるといいな,と思うわけです。


 ・・・さすがに,ハイブリッドをひとつの軸に据えているトヨタはやらないでしょう。


 スープラに搭載されていたストレート6も,環境対策が難しいという理由からディスコンとなっているはずですから,3S−GTを復活させるという選択肢は実際にはあり得ないと思います。プリウスに搭載されているハイブリッド・システムを,ミッドシップに搭載する,というあたりであれば,提案書がかろうじて上に上がるかな,とは思いますが。


 まあ,そんな現実感の薄い話はさておきまして。


 現段階では不透明なところも多いコンセプト・モデルですが,個人的には市場投入を心待ちにしたいクルマであります。