エコでも走ってナンボ、らしいBMW。

ミッドシップ・レイアウトで,4WDで。


 でも,ギアボックスからフロント・セクションへと向かうドライブシャフトはない,と。ドライブシャフトの代わりを務めるのは,電子制御でありましょう。つまり,前輪の駆動を受け持つのはモータです。
 レクサスはすでに,ハイブリッド・システムが過給器(どちらかと言えば,立ち上がりから過給効果を感じることのできる,スーパーチャージャー的でしょうか。)としても位置付けられることを示しています。BMWはこのアイディアをさらに進めて,リアに配置したモータは過給器的に,そしてフロント・アクスルに搭載したモータによって,トルクスプリット型の4WDとしても機能させようとしているようです。後輪の駆動状態を基準として制御ロジックを組み立て,後輪だけでは有効な駆動力を得られない,とセンシングされたときにフロント・アクスルに搭載されたモータが車体を引っ張る,と。


 要するに,GT−Rのアイディアをハイブリッドで解釈してみたのではないでしょうか。


 エコロジカルであること,に注目されがちなハイブリッド・システムですけれど,BMWは「電子制御」という要素をスポーツ方向に利用することで,違った方向性を打ち出してきた。コンセプトらしい,コンセプトだと思います。



 リーグ戦はショート・インターバルでありますし,ヤマザキナビスコカップは虚心坦懐に眺められる状態になってしまっておりますし,ちょっとばかりフットボールを離れまして,webCGさんのニュース記事をもとに,BMWのコンセプトについて書いていこうと思います。


 単純に,デザイン面だけを見ると,量産可能性を考慮はしていないな,と実感するところがあります。インテリアにしても,エクステリアにしても「安全基準」を意識した設計ではなさそうです。
 ただ,マクラでも触れたドライブ・トレーンを考えてみると,市場可能性調査を意識してもいるな,と思うところです。


 エコロジカルだけれども,スポーツはできる。


 ともすれば,エコロジカルであることとスポーティであることとは対立する考え方ではないか,と思われてしまいがちですが,クルマの持っている「走ってナンボ」という要素,その要素をどのように表現するか,いままでとはちょっと書き方が違うだけで,スポーツな書き方もできるんだよ,というBMWのメッセージがあるように思えます。


 ディーゼル・ハイブリッドと言うことですから,相当にトラクションは鋭いでしょう。さらに,ハイブリッドが過給効果を生む。となると,ギアボックスがひとつの鍵を握るはずですし,ギアを巧みに切り替えながら操る,という楽しさは結構なものではないか,と思います。
 どういう形で市販車へと反映されるか,それは未知数ですが,個人的には大きく期待してしまうコンセプトであります。