対神戸戦(09−24A)。

ポジショニング・バランスを,取り戻しきれていないな,と。


 また,守備面での戦術イメージがブレていないか,と感じます。


 チームとしての連動した守備が機能しないと,どうしても「追い掛ける守備応対」になってしまいます。さらに言うならば,チームとしてどの位置でボールを奪うのか,が不明確になっているな,と感じます。


 昨季までのように,ボール奪取位置を低い位置にセットしているわけではありません。むしろ,高めにボール奪取位置をセットしようとしているようにも受け取れます。


 であれば,です。


 中盤よりも高い位置での守備はボール奪取位置へ相手ボール・ホルダーを追い込んでいくような守備ではなくて,ボール奪取までを意識した守備応対を仕掛けていく必要が出てくるはずなのですが,実際には中途半端な守備応対になっている時間帯が多いような印象です。昨季までの守備イメージを残したような守備応対にも見えるのですが,4が物理的に持っているポジショニング・バランスを生かし切れていないがために,相手ボール・ホルダーへのファースト・ディフェンスが,今季のフットボールを支えるには中途半端な強度になってしまっている,というようにも見えます。


 ミッドフィールドでのポジション・バランスが悪く,また中途半端な強度でのファースト・ディフェンスしか仕掛けられないと,バランスの悪さが最終ラインにも連鎖してしまう。CBが必要以上にボール・ホルダー方向に吊り出され,結果としてセンターからの仕掛けにチームが対応しきれなくなってしまう,と。


 戦術的に修正すべき要素も確かにあると思うのですが,どうも“コンディション”が相当に影を落としているようにも感じます。


 今回は,マクラを飛ばしていきなり本題へと入りましたが。まいど,1日遅れの神戸戦であります。


 3から4へと基盤を変えた,そのメリットから考えるならば。


 「距離感」を維持しやすくなる,ということがあるか,と思います。攻撃面でも,そして守備面でも数的優位をつくりやすい,と。意図して数的優位を構築し続けるための枠組み,として4を考えるならば,現状のチームはこのメリットを生かし切れてない,と言いますか,メリットをどこかに置き忘れているような状態だろう,と感じます。


 そして,シーズン立ち上がりを思えば,機動性と流動性が重要な要素となっている4でもあります。この機動性が低下してしまっているし,となると流動性も抑え込まれてしまいます。ネガティブな意味でのポジション・フットボールになってしまう。となると,ここ数節書いていることでもありますが,相手に対してボール奪取ポイントを明示しているかのような攻撃になってしまうと。


 まだ,そんな図式から抜けきれず,結果として抜けきれないままに中断期間に入ってしまったわけですが,今節の反発力は数少ないポジティブな要素だと思いますし,再び時間帯限定なりに,狙うフットボールが見えてもきているように感じます。


 夏場に,「勝ち点0」という状態が継続する。


 当然,相手が今季のフットボールへの対策を施してきている,という側面もあるでしょうが,今季のフットボールを表現するに足るだけのフィジカルという基盤が不足している,という要素もかかわっているように思います。フィジカル面で戻りきらないから,どうしてもかつてのフットボールを思い起こさせるような動きに戻ってしまう選手がいる。その反面で,今季のフットボールを何とかして表現しようとする選手もいる。


 コンディションを整えることと,戦術イメージを整え直すこと。中断期間で,“リフレッシュ”することが求められているように感じます。