最高峰らしく。

「秋春」を考えても,いい時期ではないでしょうか。


 本格的な強化を考えるのであれば,現行のスケジューリングでは限界がある。
 瞬発力ではなくて,総合力で勝負を挑む。そのような方向性へとシフトするためには,どうしても「秋春」を考えるべきだろう,と思うのです。・・・フットボールのお話し,と思われた方もおられましょうか。


 申し遅れましたが,JFAトップに与しようという話ではありません。フットボールな「秋春」は,クリアしなければならない問題が複数折り重なっていて,ひとつひとつを分解しながら考えていかないといけないような,そんな印象を持っています。


 そうではなくて,そもそも秋春になっている競技でありまして。サンスポの記事をもとに,ラグビーフットボールなお話しであります。


 この記事で紹介されている,大畑さんのコメント。


 トップリーグの成功なくして,RWCの成功も日本ラグビーの未来もない,というものですが,まったくその通りであろうか,と思います。
 ただ,そのためにもトップリーグには「最高峰らしい厳しさ」を求めたい,と思うのです。


 大ざっぱな言い方をすれば,勝負権を持ったクラブが複数ある。昨季の状態を基礎に言うならば,そんな印象を持ちます。トップリーグを制したブレイブルーパスに,選手権を陥れたワイルドナイツプレーオフ・トーナメントへと駒を進めたサンゴリアスに,スティーラーズ。ポテンシャル,という部分から見るならば,ヴェルブリッツグリーンロケッツも勝負権を持ちうるクラブ,と考えていいでしょう。


 勝負権を持つクラブが増えるか,それとも振り落とされるクラブが出てくるか。それぞれのクラブが持っている「総合力」を見てみたい,という思いがあります。


 もうひとつ。視点をちょっとスタンディングの反対側に移して。


 トップリーグも,自動降格制度を採用しています。そのために,スタンディングをにらみながら,戦い方をリアリスティックな方向へと微調整する,ゲーム・マネージメントを意識する方向へと戦い方を変える必要性があるか,と思うのですが,不思議なことに戦い方が降格を意識しなければならない時期にあっても変化しないというケースがあったりします。


 スタートダッシュの鋭さが,ある意味でスタンディングを決定付ける。そうではなくて,クラブの持つパフォーマンス,ファースト・チームが表現するパフォーマンスだけではなく,ファースト・チームをバックアップする体制を含めて,クラブとしての能力,総合力が厳しく問われる形へと,リーグ戦が変化することも求められるのではないか,と感じます。
 実戦機会を増加させる,という観点から見るならば,最高峰であるトップリーグだけでなく,2部リーグに相当するトップイーストトップウェスト,そして大学リーグも2回戦総当たりを意識すべき時期でしょう。とは言え,リーグ・スケジュールを5月あたりにまで大幅に延長しない限り,2回戦総当たりを導入するのは難しいでしょうし,競技場をどのように使っていくか,という課題も存在します。現状においてラグビーは「ホーム・アンド・アウェイ」という考え方が浸透していませんから,クラブの本拠地でホーム・ゲームを,という意識よりも,集客面などで優位性を持っている秩父宮であったり近鉄花園での開催に偏りがちな状態です。フィールド・コンディションが現状でもギリギリなのに,リーグ・スケジュールが延長されたとすれば,決定的なダメージをフィールドに与えかねない。ホーム,という発想をしっかりとラグビーでも落とし込んでいかないと,難しいところは確かにあります。加えて,日本選手権との関係性など,クリアすべき課題は多岐に渡ります。


 けれど,検討する価値がある話でもあろう,と個人的には思っています。