対G大阪戦(09−21A)。

基礎段階から,どのようにしてステップを上がるか。


 意識して,戦術的な要素を表現している段階から,厳しく追い込まれた状況にあっても,自然に狙う戦術的な要素が出てくるような段階に,どのような形で近付くか,という表現も使えるか,と思うのですが,そのようなタイミングで足踏みをする。


 ちょうど,2002シーズン後期も似たような状態だったように感じます。


 09スペック,その100%を表現するには時期的に難しい。「応用」をする必要性があるか,と感じます。


 1日遅れのG大阪戦でありますが,今回はちょっと短めに。


 たとえば,“リズム”ということになるでしょうか。攻撃を組み立てる段階でのリズムと,仕掛けていく段階でのリズムと。


 ここでの「落差」が少ないから,相手守備ブロックをなかなか振り解けない。パスを繰り出してからの加速であったり,パスに連動する形でのフリー・ランであったり,「縦」への速さを生かした形がここ数節は相当に抑え込まれてしまっている印象があります。


 チームをコンパクトに,という意識は受け取れる時間帯が多くなっています。いますが,ネガティブな方向で作用してしまってもいます。トップとの距離感を意識しているのですから,セントラルやディフェンスがもっと攻撃に関わる形でパスを呼び込めるといいのですが,まだ攻撃がトップやアタッキング・ミッドフィールドが絡むことが多くて,相手を縦方向にもっと釣り出すような形にはなりにくい。仕掛ける時間帯に,セントラルがパス・レンジにどれだけ顔を見せられるか,であったり,局面によってはディフェンスを含めた守備ブロックが仕掛けに関与できるか,が鍵を握っていくように思われます。


 攻撃面でリズムが単調になってしまうと,どうしてもカウンター・アタックを受けやすい。ロングレンジ・パスを繰り出すことでCBとSBのポジショニングが微妙なスペースを狙い,「追い掛ける」守備応対をさせる,と。


 今節にあっても,相手の戦術的なイメージは中盤での主導権争奪よりも,シンプルに縦へと仕掛けていくことで浦和のチーム・バランスを崩していく,という方向性を狙っているように受け取れました。


 ・・・昨季を思わせるような,戦術交代でしたが。


 単純に,トップやミッドフィールドに「固定」してしまうと脅威は薄れます。縦に仕掛けてくるから意味があるのだ,と。流動性を飛ばして,結果的な部分だけを使ってみては意味がないでしょう。


 シーズン序盤では,流動性がそれなりに機能していました。ただ,大ざっぱに言うならばエリア限定に近いものがありましたし,「横方向」という印象も強かった。その流動性が,「縦方向」にどれだけスムーズにつながっていくか。アタッキング・ミッドフィールドとSBが物理的な数的優位をどれだけ戦術的に活用できるか,であったり,ディフェンスを含めての縦方向への循環がスムーズに機能するかどうか。


 リズムを自分たちから動かすために,ポジションをスムーズに循環させる。そんな形が見えはじめてくると,チーム・ビルディングが新たな段階に上がってくるように思うのです。