開催地変更に思うこと。

前橋育英高校総体を制したとのこと。


 プリンスリーグでは9位,というポジションでしたから,高円宮杯への切符を奪取するためにはどうしても勝ち上がりたいトーナメントであったはずです。


 そして,決勝戦へと駒を進めたことで高円宮杯への切符をしっかりと掌中に収めた。だけでなく,「勝って」切符を奪ってみせた,と。 


 総体をひとつのピークにしていたでしょうから,9月初旬に向けて再びチームをピークに持っていくための準備期間はそれほど長くない,とは思います。思いますが,総体で見せ付けた存在感を高円宮杯でも,と期待しております。


 と,タイトルとはまったく関係ない,ユースな話をマクラに持ってきつつ。


 共同さん配信のニュース記事(スポーツナビ)をもとに,開催地変更,という事態に至った九州石油ドームの話などを。


 九州石油ドーム


 その名前が示すように,開閉可能な中央部を合わせドーム状に組み上げられた大型のルーフが特徴的な競技場です。


 2002に向けて建設された競技場には,不思議とルーフ・デザインに特徴を持つものが多く見られますが,フットボール・スタジアムにとって最も重要な舞台装置であるピッチ,そのコンディションに意識を払ったルーフ・デザインかどうか,となると疑問符を付けたくなる競技場もあったように思えます。


 そして,そのひとつが残念ながら九州石油ドームではなかったか,と思うのです。


 そもそも,開閉可能な中央部がいささか小さく感じます。また,観客席部分に掛かる固定部分は,太陽光線の透過性を意識した材質とは言えません。そのために,ピッチ・コンディションを維持するために必要である通気性,日照のいずれもが不足気味になってしまうように感じるのです。


 もちろん,設計当時のFIFA基準を充足していたからこそ開催地としての指定を受けたわけですが,その後FIFAはスタジアムについての基準を変更しています。屋根に関しても,ピッチ・コンディション維持について影響を最低限に抑え込むために日照を確保する,そのために透過性を持った材質を必要に応じて使用するなどを要求するようになっています。現在,FIFAが求める基準から考えると,ビッグアイはピッチに陽光を効果的に導き,同時に風を呼び込む,という仕掛けが不足しているように感じられます。


 ピッチ張り替えは,JFAサイドからも要請されているわけですから,しっかりと対応されるかと思いますが,同じような事態に陥らないためにも部分的な改修が必要ではないか,と感じています。