RWC開催決定によせて。

恐らく,少数派だと思いますが。


 部活で楕円球を追い掛けている中学生や高校生たち。彼らにとって,RWCが現実的な目標になるということを意味するはずです。


 となると,中学でラグビーを指導する,あるいは高校でラグビーを指導しておられる指導者の方たちは“2019RWCの主役たち(あくまで候補,と言うか可能性を持った原石ですが)”を目の前にしている,とも言えるでしょうか。


 いささか,時期に遅れましたが今回は楕円球な話。こちらのニュース・リリース(JRFUオフィシャル)をもとに,開催が決定したRWCについて,ちょっと思うところを書いていこうと思っています。


 ここまでのRWCの戦いぶりを思えば,2019までのリード・タイムは決して長くない,と見るべきか,と思います。


 ホスト・カントリーという立場を思えば,単に「参加している」というレベルでファースト・ラウンドを終えるなどということは許されないはずですし,ケースによってはラグビーフットボールのさらなる地盤沈下を招きかねない,とも。


 となれば,ファースト・ラウンドを勝ち抜くことが現実的な目標に据えられるべきでしょう。そのために,何をすべきか,と。


 マクラでも触れましたが,中学年代や高校年代の選手たちが持っているポテンシャルをしっかりと見抜き,実際にフィールドで表現できるパフォーマンスへと引き上げていくことであり,そのためのコーチング・スタッフを積極的に育成していくこと,だと思うのです。
 できるならば,中学年代から高校年代と,継続して選手たちを見ることのできる体制が望ましいでしょう。ラグビーフットボールはまだ,学校を基盤とする育成,強化体制を敷いていますから,クラブ・チームのようにひとつのクラブで育成〜強化までを一貫して進めることが難しい。それだけに,都道府県単位,それよりもちょっと小さい,エリア単位での中高連携だったりが重要になってくるものと思われますし,中学で指導を担当されている先生方と,高校で指導を担当されている先生方との意思疎通がこれまで以上に大きな意味を持ってくるように思われます。


 そして,先生方のコーチング・スキルを引き上げていくための体制づくりも。


 勉強熱心な先生方も,多くおられることとは思います。ラグビー・ネイションズのDVDなどから戦術的なエッセンスを引き出し,そのエッセンスをチームに落とし込まれている,などというように。そういう個人ベースの努力を,組織ベースへと引き上げていくことで,必ずしも強豪校が存在していないエリアでも,一定程度のコーチング・スキルを持った先生がそろっていくと,全体としてレベルが上がっていってくれるのではないか,と思いますし,見落とされてしまうかも知れない原石が,しっかりとチェックできるかも,などと思うのです。


 繰り返しますが,10年間,というリードタイムは決して長くないでしょう。そのために考え得ることを可能な限り,と感じます。