対名古屋戦(09−19)。

たとえば,リトリート・スタイルに調整するとか。


 ひとつの考え方だろう,とは思うけれど,そもそも新たなフットボールを構築している最中のシーズンであって,結果だけを評価基準としてしまうのは危険かも知れません。そもそも,09型のフットボールとして描こうとしている戦術イメージ,このタイミングではいささか曖昧さを見せているように思えるのです。


 基盤が揺れかけているタイミングで,新たな基盤を持ち込むわけには行かない。どうして,チームは「受け止める守備」ではなくて「仕掛けていく守備」を基盤として選んだのか,そこから考えるならば,優先させるべきは意識の再徹底なのだろう,と思います。


 まいど1日遅れ,の名古屋戦であります。


 ファイナル・スコアも,相手のゲーム・プランにしっかりと嵌り込んだことを示してはいますが,反面で自分たちのフットボールが曖昧さを見せている,ということも言えようか,と感じるわけです。つまりは,シーズン序盤の姿が影を潜めているな,と思えるわけです。


 「攻め抜く姿勢」であり,


 「ビルドアップから仕掛けへ切り替えるきっかけ」


が,であります。


 ごく大ざっぱな言い方をしてしまえば,“リズム・チェンジ”という言葉になるでしょうか。


 今節は,攻撃がいささか単調に流れてしまっていたように思うのです。確かに,立ち上がりの時間帯はボールを保持する,という形ができてはいました。いましたが,チームとしての意識がポゼッション方向に強く傾きすぎて,どのようにして仕掛けを加速させるのか,そのきっかけを誰が仕掛けるのか,どうも不明確になってしまっているように感じます。そのために,仕掛けていくタイミングでボールが落ち着いてくれない,と。


 それは当然,相手のゲーム・プランにも関わってきます。


 相手は守備ブロックを極力崩さず,仕掛けを構築するエリアでの安定性を狙ったプランを構築していました。相似形を描くフットボール・スタイルが勝負を挑む,という図式ではなくて,守備バランスからゲームを組み立てようとする,リアリスティックな方向性に微調整をかけたかのような戦い方を,相手は選んできたように感じます。そのブロックを崩す有効打が打てなかったことで,相手の流れにはまるひとつのきっかけができてしまう。さらに,コントロールを失った直後のディフェンスがいい形で仕掛けられていなかったことで,チームをコンパクトに,という意識が裏目に出てしまう。


 ・・・いい形で攻撃を終えていないから,守備面に悪影響を引きずることになる。


 ゲームが集中するタイミングですから,充分なリード・タイムがあるとは言えません。けれど,09型フットボール,その原点を再確認,徹底するには絶好のタイミングだとも言えるはずです。


 09スペックが必須要件とする要素,それらが欠けると相手のゲーム・プランに乗せられるのみならず,相手に勝ち点を不必要に与えることになる。そうならないためには,自分たちのフットボールを押し出すこと。


 ともすれば,2009シーズンで最も重要な時間帯になるかも知れません。