MINI ONE.

比較的,スペシャル・モデルを取り上げる機会があるので。


 ともすれば,カリカリのモデルにしか興味がないのではないか,と思われるかも知れません。もちろん,ツボを心得たエンジニアによって緻密に仕立てられたスペシャル・モデルは魅力的ですし,いろいろなタイミングが合うならば手に入れてみたいと思うモノも,確かにあります。


 けれども,スペシャル・モデル「だけ」が魅力的だ,などと思っているわけではなくて,むしろベーシックなモデルに魅力を感じるケースも多かったりします。具体的には,BMWミニでしょうか。ターボ・チャージド・エンジンを搭載している“ジョン・クーパー・ワークス(JCW)”という最高峰モデルも設定されていますし,確かに魅力的です。ではありますが,公道で快適な速度域というのはそれほど高くない,というのも確かなことです。日常を思えば,バランスの取れたパワーという方が,付き合いやすい。となると,シンプルに“ONE”を選ぶというのも,決して悪くないと思うのです。



 冷静に考えてみれば,魅力的なスペシャル・モデルを仕立てるためには,それだけの「基盤」が求められるはずです。シャシー・エンジニアリングとして,しっかりとした設計がされていなければ,レース・トラックでの戦闘力を持ったエンジンを搭載して,なおかつバランスの取れたライドに仕上げることは難しいはずです。つまり,BMWミニにとっての「基準車」が“ONE”ではないかな,と。


 ロードレーサーや,スーパーバイク(もちろん,ベースとなる市販車ですが)などと並んで,肩肘張らずにクルマを楽しみたい,となると,なるべくベーシックなモノを,と思ったりします。もちろん,新車でなくともいいし,中古の方が選択肢は広いように思いますが,新車でほしいとすれば,こんなモデルでしょうか。