アストン的“iQ”。

元ネタ(トヨタ・オフィシャル)」を見てみますと。


 グリルレスであるために,不必要にワイドな印象を与えます。物理的に大きいので,直接的な比較は当然できないのですが,ダッジ・ヴァイパーを真正面から見たときの印象に重なるところがあるように思います。


 個性が主張できていないフロント・フェイス。視点を変えれば,“キャンバス”が広がっている,とも言えるはずです。表現の自由度が高い,とでも言いますか。そこに目を付けた,部分もあるでしょう。



 今回は,フットボールを離れましてクルマの話。webCGさんの記事をもとに,アストン・マーティンシグネットについて書いてみようと思います。


 さて。特徴的なグリルが装着されただけで,かなりアストンらしさが出ているな,と感じます。フロント・セクションに感じるボリュームをアストンのデザイン陣はポジティブに使おうと意図したのでありましょう。
 つぎにヘッドライトを見てみますと,恐らく,オリジナルをそのまま使っているようです。けれども,ライト・ハウジングをちょっとだけ大きめに切っているせいか,アストンのデザイン・キューになかなか巧みに収まっています。これはなかなかに「いい仕事」ではないでしょうか。


 ・・・とは書きましたが。


 アストンはデザイン面での自由度が高い,という要素でiQを選んだのではなくて,物理的な小ささで選んだのではないか,と思っています。
 環境面を意識しているのであれば,ハイブリッドのOEMを,と思いがちです。ですが実際には,バッテリやモータを搭載しているのですから,重量面でハンディを抱えている,という見方も成立します。そして,「物理的に」環境負荷を低減させるのであれば,軽量であることや小排気量であることが求められるはずです。
 また,スマートをコンプリート・カー・メイクス(確か,ブラバスだったかと)がモディファイした例もあり,コンパクトであっても高級な仕立てを求める顧客層はいる,という判断もあったでしょう。そもそも,UKではロールス・クラスのクルマを持っているひと(やんごとなきクラスのひとたち)は,わざわざロンドン市域へ大きなクルマを乗り入れるような愚を犯さなかった,とも言いますし,面白い「隙間」でもありましょう。


 個人的には,すごく気になるアストンであります。


 トヨタとのこともあって,日本への正規導入は限りなく0%でありましょうが,パラレルで入れてくれることを期待したいですし,自分でパラレルをしてみてもいいかな,と思わせるクルマであります。