Loan.

これも「めぐり合わせ」でしょうか。


 ちょっと浦和からのリリースを読みながら,ファースト・チームがどうだったかを思い出してみれば。


 加入初年度である2005シーズンは,フットボール・スタイルを微調整しはじめたシーズンと言えるでしょうか。攻撃面を徹底して意識した,ハーフコート・カウンターからチームを相対的に低く構えさせるリトリートを指向しはじめたシーズンです。
 すでにこの時期でも,彼が主戦場とする中盤(アタッキング・ミッドフィールド)にはタレントが集まっていました。さらに,シーズン途中からは中盤で“superb”なパフォーマンスをピッチに表現する選手が加入します。そもそもチャレンジングな環境でしたが,相当にチャレンジングな環境へと変化した,とも言えるでしょう。


 さらに,フットボール・スタイルが組織的な基盤を出発点とするものではなくて,「個」の持っているパフォーマンスをどのように組み合わせ,組織としてのパフォーマンスへと結びつけていくか,という方向性へとシフトしていった。


 この方向性は,指揮官交代を挟んで2007シーズンでも堅持されていきます。


 どこかで,フットボール・スタイルとのミスマッチを感じたのも確かです。
 であれば,水戸へのローンも頷けるところがあった。
 そして,2009シーズンはコレクティブなフットボールを指向する指揮官がチームを預かることになる。ミスマッチが解消されるのではないか,という期待もあったのですが,ユースからの昇格組にめぐり合わせはポジティブに作用する。


 このことを裏返せば,めぐり合わせがいいとは言えない2009シーズンになりかけていた,と見ることもできる,のかも知れません。


 そして,同じディビジョン1を主戦場とするクラブからオファーが届く。
 クラブを基準として言うならば,違った言い方もありましょうが,フットボーラーとして評価を受けたからこそだ,と思います。彼が持つポテンシャルであり,パフォーマンスに対しての評価を。


 その評価に違わぬ存在感を,ぜひとも示してほしい。そう思って,やみません。