オープン・ドローが織り成す綾。
ガッカリされた方が多いのではないでしょうか。
もちろん,誰もが,というわけにはいかないけれど。
海外でのアウェイ・マッチを体感できるチャンスは,魅力的であるはずです。可能性としては,韓国にウズベキスタン,サウジアラビアに加えてカタールのクラブと戦えたわけですから,エア・チケットなどのことを含めて,思いをめぐらせていたひとも,少なからずいただろう,と思うのです。
ただ,クラブとしては「痛し痒し」かも知れません。
リーグ戦への悪影響を最小限に,という視点から言うならば,恐らく理想的な結果でしょう。でも,スカウティングという部分で言うならば,相手の想定を崩すのは容易ではないとも言えるでしょう。対戦相手の研究もできているけれど,自分たちの研究もされているはずですから。
アドバンテージと,難しさと。それだけに,ハンドリングが難しいという印象を持ったりもします。
・・・とは言え,残念ながらよそさまの話であります。
あくまでも,アウトサイドとして軽く,ACLのカップタイ・ドローの話をスポーツナビさんの記事をもとに。
いわゆる,オープン・ドローであります。
東地区が収まる枠と西地区が収まる枠をあらかじめ決めておくのではなくて,すべての枠に入る可能性を持ったドロー,というわけです。となれば,相当な移動距離を伴うアウェイ・マッチの可能性を残すと同時に,Jリーグでどのように移動すべきか,マッチデイからの逆算をしたコンディショニング・スケジュールを立てるべきか,など緻密な計算が「すでに完了している」ケースも可能性を持っているわけです。
で,緻密な計算を動かす方に,傾いてしまったと。
クラブを追いかけるひとから見るならば,エア・チケットではなくて,恐らくは新幹線のチケットを意識されるだろう方がマジョリティ,な対戦となったわけです。
アウトサイドからすれば,お国柄の異なるフットボールを見てみたいと思ってしまうところがあるし,限定的なスカウティングによってもともと持っているフットボール・スタイル,その本質的な部分が透けて見えるような勝負に期待してしまうところもあって,ちょっと惜しい思いもします。とは言え,オープン・ドローを採用するカップ戦ならば,この可能性を排除しているクラブはどこにもないはずです。今回,同国対決が回避できたウズベキスタン,そして韓国のクラブも片隅に「出方を知っている」相手との対戦を意識していたはずです。
移動距離を思えば,アドバンテージが確かに存在する。ただ,「出方」を互いに知る立場,という側面も確かにある。そんな状態から,どのように90分ハーフの勝負を挑んでいくか。
アウトサイド的には,そんな見方をしようと思っています。