£80 million.

ちょっと,俊輔絡みの話をマクラに。


 MM21に,というのが(とあるメディアさんが抜いたように)既定路線かと思われておりましたが,リーガ・エスパニョーラからのオファーがあったと。そのオファー,エスパニョールからだとのことですが,どうもアトレティコ・マドリーからも届いているようだ,てなことが,“TIMES”紙からのメールに書かれておりました。エスパニョールだけならば,それほどに契約交渉が長期化することはない(どちらに結論が転ぶとしても),と思うのですが,アトレティコまでもがオファーを,となると話は別でありましょう。


 さて。今回の本題であります。日刊さんの記事をもとに,クリスティアーノにまつわる話など。


 基本的に,メルカートには深入りするつもりはありませんが,レアル・マドリーというのは,メルカートで話題を提供するのがお好きなようです。まあ,フロレンティーノ・ペレスが会長に戻った時点で予想された形です。そして,欧州カップ戦決勝でのクリスティアーノ,あの姿はどこか,かつてユナイテッドで7を背負ったプレイヤーの姿と重なるところがあったな,と。


 となると,サー・アレックスはあの時点で,「冷徹に」売り抜けるタイミングを測っていたに違いない,と推察します。


 レアル目線ではなくて,ユナイテッド目線で見れば。


 都並さん(だったと思います)が指摘していたように,チームを貫く規律をサー・アレックスは重要視します。チームにダイナミズム,というよりも緊張感を持ち込むことで規律を意識させ,組織性を引き出すというアプローチを使っているように思うのです。ディビッドの時もそうでしたが,彼自身の持っている商品価値をしっかりと理解していて,同時にチームの規律を徹底的に意識させるための,チームに戦術的な変化を与えるためのきっかけとしてレアルへの売却を位置付けていた,と感じます。


 確かに,あのときのきっかけは「瞬間湯沸器」のような感情の発露だったと聞きます。実際,感情が爆発した,のかも知れません。知れませんが,ユナイテッドで長期政権を築き上げるような指揮官ですから,相当に冷静,的確な計算も働いている,と考えて自然でしょう。


 今回も,ディールの相手を含めて同じブルー・プリントを描いていたのではないか,と思うわけです。なにしろ,レアルからのオファーは今季に限定される話ではなかったわけですし。フロレンティーノ・ペレスの意図はかつてと同じでしょうから,アウトサイドからアレコレと推理するのもそれほど面白く感じられません。むしろ,サー・アレックスがどうメルカートで立ち回るのか。それとも,現有戦力をさらに変更して,チームに「刺激」を与えるのか。そちらを推理してみるほうが,相当に面白いのではないか,などと思ってしまうのです。