Requirement, Three Points.

確かに“フリー・ハンド”というわけではありませんが。


 むしろ,チームとして狙う方向性が分かりやすくなったとも言えるでしょうか。


 ナビスコカップ,そのラウンドロビンであります。


 ちょっと,スタンディングを俯瞰してみますに。


 すでに全日程を終了しているのが,暫定首位に立つクラブであります。そして,浦和と同じく第7節に最終戦を迎えるクラブが,得失点差で上位に位置する形です。この得失点差を考えると,最終戦での狙いがシンプルなものにならざるを得ない,ということが見えてきます。


 「勝ち点1」ではなくて,「勝ち点3」を。


 要は,「勝ちに行く」以外に選択肢はあり得ない,わけです。セカンド・ラウンドという舞台をつかむために結果を厳しく求められるゲーム,というわけです。そんなゲームに,実戦経験という意味では浅い選手たちも臨むことになります。戦力的な充実度,という視点から見るならば,必ずしも望ましい状態ではない,という当然の結論が導けはします。しますが,「手掛かり」であり「確信」をつかむには好機でもある,とも感じられます。
 シーズンが深まってくれば,どうしても負傷であったりサスペンションであったりの影響を受けてベスト・パッケージを維持することが難しくなるはずです。そのときになって,大きくチームがパフォーマンスを落としてしまうような愚を繰り返すわけにはいきませんし,「個」を存分に引き出すためにも「組織」が持つ約束事は重要な意味を持ちます。この約束事を,できるだけ多くが共有できていれば,ディテールで違いが出てくるとしても「浦和」が表現すべきフットボール,その基盤が大きく変わってしまうことはない。


 シーズン終盤では,そんな文脈での「総合力」が問われるように思いますが,今季はシーズン中盤に差し掛かる段階で同じ図式になっている,と。


 確かに,いまは厳しいかも知れません。その厳しさが,あとあとの「厚み」になるはずですし,チームにはダイナミズムを持ち込むことにもなるはずです。単純に,ファースト・ラウンド最終戦というだけの意味では説明できないし,説明してしまうともったいないような気もします。