対ウズベキスタン戦(アウェイ・最終予選)。

相手よりも,より多くのゴールを奪うこと。


 相手の攻撃を,抑え込むこと。


 いささか単純に,フットボールが持つ要素を説明するならば,このようなものになりましょうか。この単純な要素,「結果」が厳しく要求されればされるほど,ハッキリと見えてくるように感じます。


 国際Aマッチ,しかもインターナショナル・フレンドリーではありません。内容面を問うよりも,結果を引き出せたかどうか,という側面をまずは評価すべき,と考えていますし,リズムをどのようにコントロールしようとしていたか,などを見ておく程度でいいのではないか,と思ってもいます。


 本戦への切符を確定させたゲーム,ウズベキスタン戦であります。いささか時期に遅れてもいますし,簡単に雑感など。


 さて,「らしい」フットボールが表現できていたか,と考えますと。


 「時間帯限定」では表現されていたのでは,という印象です。少なくとも,キックオフから立ち上がり,という時間帯では主導権を掌握していこうという意識が見えていましたし,シンプルな形から先制点を奪えています。悪くないな,と。


 とは思ったのですが,ボール奪取がイメージ通りに進められない。


 「外的な要因」(=基準の揺れ,と表現しておくことにします)によって,プレッシングの強度を安定させられない。となると,“リスク・マネージメント”という意識をどこかに残しながら,同時にボール奪取位置を下げないためにもアプローチを掛けなければならないことになります。


 これでは,主導権を掌握しようにも中途半端な形にならざるを得ません。攻撃を組み立てる初期段階に不安定さを抱えることになるのですから,どうしても受けて立たざるを「得なく」なる。ラグビーフットボールでは端的に「受ける」などという表現を使いますが,このゲームでは相手のリズムを単純に「受けた」のではなくて,さまざまなファクタを意識してしまったがために「受けざるを得なかった」ように映ります。


 ボール奪取位置を再びチームとして想定している高さに引き上げるために,どのような選択肢が取り得るか。守備面を微調整することで,結果として自分たちのフットボール,その攻撃の型に持ち込む。そのために,どんなメッセージをダッグアウトから打ち出せたか。そして,実際に戦術的な微調整がかかったか。


 そんな視点で戦術交代を見ると,確かに,疑問が残る部分もあります。


 とは言え,典型的なアウェイとはこのようなもの,という意識もあります。そんな状態にあって,チームが踏みとどまってくれたことは大きいと思います。フォルカーさんが言うところの“ファイトボール”でしたが,それでも退くことなく,またリズムを崩すことなく戦っていたことが大きいな,と思うわけです。


 このゲームをモノにしたことで,あと2ゲームでのフリー・ハンドを手にしました。国際Aマッチとして,結果を最優先項目とすべきことは当然としても,いまのフットボールで「微調整」できる要素があるならば,(戦術的なもの,戦力的なものやその他問わず)その範囲を積極的に広げておいてほしい,と思います。