対ベルギー戦(KCS2009)。

ベスト・パッケージ,に近くはありましょう。


 「距離感」のオプション,とでも言いましょうか。


 ウィンガーとSBが近めの距離感をつくって,相手を引き付ける,と。第1戦の形がひとつのオプションであるとして,第2戦の形もひとつのオプションではないかな,と思うところがあります。


 ベルギー戦であります。


 第1戦とは違って,低く構える相手であります。また,物理的な高さを持ってもいます。恐らくは,最終予選(最終戦)を意識した調整過程,ということになりましょうか。


 ごくカンタンに,まとめておきますと。


 第1戦とは,パッケージが違っております。特に,SBの構成が変更を受けています。その変更が,チームとしての攻撃オプションにも変化を与えているように感じます。


 サイドを重要なエリアとして位置付け,ボールを積極的に動かすことで,相手の守備バランスをアウトサイドに引っ張り出す。引っ張り出されることで生じる守備バランスのズレを,積極的なポジション・チェンジを組み合わせた縦への動きで突き,フィニッシュへと持ち込んでいく。また,サイドもフィニッシュへの意識を持っていることで,相手守備ブロックが的を絞った守備応対を仕掛けにくくなる。


 2−0に持ち込むまでの時間帯は,かなりチームとして「仕掛け倒して」いたな,という印象です。なかなか崩しきれなかった,と見るか,それともギリギリのところで踏みとどまっていた相手が,踏みとどまれなくなった,と見るかは別として。当然,ベルギーの背後に意識すべき相手は,物理的な高さを持っているわけですから,クロス・ボールに関するバリエーションを意識しておかなければ跳ね返される可能性が高いはずですし,ボックスに侵入してからのプレーについても,「高さ」で真正面から勝負するのではなく,相手の持つ「高さ」を逆手に取るような選択肢を意識しておくことが求められる,と。


 それまでは,かなり荒削りな印象を残していたゲーム・プランが,しっかりと描ける時間帯が増えてきている,という印象であります。


 さて。気になったことでありますが。


 リズム・コントロール,という部分でしょうか。


 基本的に,負荷の高いフットボールであります。それだけに,相手に振り回されるのではなくて,自分たちからゲームを動かすという姿勢を貫く必要性も高いだろう,と思います。そのときに,リズムをどれだけ自分たちで動かすか,が課題になるかな,と思います。


 後半,GKのフィードが足にぶつかる,というアクシデントによってショートハンドに陥りました。ここからのゲーム・コントロールは悪くなかったと思うのですが,前半でのスロー・ダウンは,いささか「落としすぎ」という印象もあります。


 リズムを変える,という選択は悪くないと思います。リズムをコントロールしながら,ハーフタイムへという意識も。


 オン・ザ・ピッチで戦況に対応したリズムを。


 悪くない形ではあるのですが,前半のリズム・チェンジはちょっと落としすぎていたように思えます。アイディアとして悪くないのに,もったいない,と思ったところです。リズムを変化させることで相手に揺さぶりをかけ,結果として攻め倒している。<コントロールされている,と相手に思わせるリズム・チェンジ。でも実際には,スロー・ダウンをかけてもいる。90:00という時間枠を見据えて,微妙なコントロールを繰り返す。チームとして,狙うフットボールが表現できてきているように感じられるからこそ,そんな部分でも表現度を高めていってほしい,と感じます。