B-King.

ともすれば,「誰か」が考えたかも知れないこと。


 その「誰か」が,スズキ社内にいた,と。そして,プロトタイプ(コンセプト)段階では,さらに過激なスペックが用意されてもいた。


 “スーパーチャージド”です。さすがに,プロダクション・モデルではスーパーチャージャーを装着することはなかったのですが,そもそもエンジンは1300ccを超える大排気量ですから,圧倒的なパフォーマンスを持っているのは間違いない。


 必ずしもスーパースポーツがベースマシンではないけれど,この獰猛さは“ストリート・ファイター”と呼んで,何の差し支えもないでしょう。ちょっと考えてみれば,ベースとなった”ハヤブサ”のコードネームはGSX1300Rです。GSX−Rではないけれど,その血統にあるマシンであることは理解できるものです。たとえば,ツインスパーのレイアウトを見比べてみれば,その血統を感じることができるか,と思います。GSX−Rのシャシー・エンジニアリングを転用しているのだから,ストリート・ファイターと呼ぶ,その正統性はあると思うのです。



 フットボールを離れまして,軽くバイクな話を。スズキが用意している(と言っても,国内販売は残念ながらしていない)B-King(スズキUK・英語)であります。


 実を言えば,モトマップさんを通じて一時期逆輸入がされていました。ですが,残念ながら取り扱いが現段階ではされていません。「国内規制」の問題でありましょう。
 エミッションに関しては,欧州も日本も相当に厳しくなっているのですが,国内規制は加えて騒音規制が厳しくなっているのです。エミッション・コントロールを徹底すると同時に,騒音規制を満たすためにはケースによっては燃料噴射に関するプログラミングを変更したり,レヴ・リミットを引き下げるなどの対応を必要とするようです。また,エンジン・ノイズを抑え込むためにはしっかりとしたエンジン・カヴァであったりミッション・カヴァを新規設計,装着するなどの対応が必要になってしまうはずです。となると,輸入代理店さんの能力を超えてしまう可能性は,相当に高いとも言えるはずです。


 確かに,「オトナな理性」を高く要求するバイクだと思います。また,掲げているプライス・タグだって,かなりのものです。
 ではありますが,オトナが持ちたいと思うバイクではないか,とも感じます。ヤマハさんは,V−MAXに国内仕様を,という決断をしてくれました。スズキさんにも,そんな決断をお願いしたいところです。