期間限定サード・キット。

期間限定のユニフォーム。


 平塚方面で採用されているアイディアであります。彼らは,七夕限定という形ですね。


 みなとみらいにトレーニング・グラウンドを構えるクラブも,この期間限定というアイディアを使ってくる,と。「みなと」に縁ができているわけですから,さもありなん,ですな。


 今回は,フットボールど真ん中,ではなくて,フットボールにまつわる話。エキップメントの話をこちらのリリースをもとにしつつ,軽く書いていくことにします。


 スポーツ・メディアさんでも扱われていた話ですが,横浜港開港150年にあたる2009シーズン,期間限定のユニフォームを作製するのだとか。ここまではリリースと同じなのですが,メディアさんは「なるほど」と思うことを付け加えてくれていました。


 タイトルにも掲げましたが,期間限定で使用されるユニフォームは,サード・キットとして位置付けられるのだそうです。


 さて,デザイン・スケッチを見てみますに。あくまでも好意的に解釈すれば,ですけれど,確かにセイラーをイメージさせる色調ではあります。ありますが,セントジェームスやルミノアほどにピッチは狭くありませんし,ネック形状も違います。と言いますか,ルーズに仕立ててしまえば破けるリスクもありましょう。ボーダー幅はとある国内クラブと同じ,と言いますか,不思議と“グラスゴー”を感じたりします。


 もちろん時間的な制約もあるでしょうから,類似するデザインがあるならば,そのデザインをフォーマットとして生かすというアプローチを採用するでしょう。また,サプライヤーはそもそも同じです。しかも,デザインを巧みに「使い回す」ケースが決して少なくない。浦和で考えるならば,2005シーズンの“MUFC”はまさしく典型でしょう。ネックまわりと袖先をちょっと変更すれば,マンチェスターのファースト・キットがそのまま浦和のファースト・キットに見える。そんなデザインでしたから。となれば,(失礼な表現で申し訳ないですが)使い回しのフォーマットとしてケルトなユニフォームを考えたとしても,不思議はありません。


 ・・・メルカート方面で含むところもある(となると,使い回しはサプライヤー・サイドの事情ではなくて,クラブ・サイドの意図,ということになりますけども。)のでしょうが,それはまた別の話。


 というようにスコティッシュ・プレミアなクラブとの類似性を確かに感じはします。けれど,よく見ていくとそれだけでもないようで。


 まずはしっかりと,イメージ・カラー通りに仕立てているな,と思います。ユニフォーム単体では,アクセント・カラーが少ないようにも思いますが,ナンバーをアクセント・カラーと同色とすることで,カラー・バランスを取っているようです。ナイキとしてはかなり(それなりに?)気を使ったデザインではないか,と思います。また,ホーム・キットで見られる視覚的な処理(ラウンドネックではあるのですが,襟があるように遠目からは見える)を施しています。


 ともすれば,こだわりが上滑りするエキップメント・サプライヤー。グローバル戦略を優先するあまりに,クラブのこだわりを軽視しがちなサプライヤー,にも見える。


 そんな印象をかつては持っていたのですが,最近はかなりクラブのリクエストに応える方向へと変化している。そんな変化を,このユニフォームも示しているようです。