R8、ノルドシュライフェへ。

そもそも,“R8”はサルテを主戦場としていました。


 レース・オペレーションを担当していたのは,ヨースト・レーシング。956−962門下生,とでも表現したいレース屋集団です。彼らがWSPCで,そしてル・マンという舞台で吸収したエッセンスは,そのままアウディへと落とし込まれ,(当時の)最強LMP1マシン,という評価へと結び付きます。


 そのネーミングが,スーパースポーツに受け継がれます。


 Rを冠していながら,レーシングな環境からは距離を置く。どこかで不満を感じていたのは確かですが,こういう形でレース・トラックへと戻ってくるというのは,さすがにアウディらしく,緻密に計算しているな,という印象です。



 フットボールから離れまして,屋号な話をオートスポーツさんの記事をもとに書いていこうと思います。


 かつて,ニキ・ラウダを見舞った大惨事,その舞台となってしまったノルドシュライフェ。


 フォーミュラの主戦場としては,ジャンピング・スポットやバンクがあるなど決して望ましいコースとは言えませんが,ハコ・レースの舞台としては(徹底された安全対策が背景にあればこそ,ですが)魅力的なサーキットであり続けている,と思っています。そしてこの北コースは,「偉大なる草レース」の舞台でもあります。
 かつてはBNR32BCNR33などのGT−Rが持ち込まれたり,最近ではレクサスの開発車両であるLF−Aが参戦するなど,日本勢にとっても引き付けられる何かがあるようです。


 そしてアウディは,“ファクトリー”という言葉が相応しい体制で臨む,と。R8をベースとするレーシング・マシンをカスタマー向けに販売,というプログラムを進めていると聞いたことがありますが,そのプログラムの一環としてニュル24時間への参戦を位置付けているようです。


 ・・・となると,かなり気の早い話になりますが,2010シーズンが楽しみなことになりそうです。


 と言いますのも,今季,テスト参戦をしているのはアウディだけではありません。日産もGT−Rをヨーロッパへと持ち込み,実戦を通じたマシン開発を進めているようです。彼らも,FIA-GTでのプレゼンスを狙っているのです。
 日産はスパ・フランコルシャンを狙い,アウディニュルブルクリンクを狙う。その先にあるのは,FIA-GT。舞台こそ違うものの,すでに勝負ははじまっている,のかも知れません。