SLS AMG.

メルセデスにとって,重要なスタイリング・キュー。


 もともとは理由あってのデザインだったのですが,メルセデスのスポーツ・モデル,その代名詞として意識されるようになったようです。
 そんな意識を,メルセデス自身も強く認識しているのでしょう。決して特殊ではなくなった機構を,特別な車種には用意しています。そして,2010年にリリースされるモデルにも,この機構は持ち込まれます。



 webCGさんのニュース記事をもとに,クルマの話を軽めに。


 現行車種から見るSLは,オシャレなオープン,といって差し支えないでしょう。間違っても,レーシング・フィールドに持ち込もうとは思わないクルマです。そのご先祖さまは意外なことに,レーシングな世界と近かったのです。“Sport Light”という名前が,しっかりと意味を持っていたのです。


 新たに投入されるモデルは,言ってみれば「原点回帰」のようです。つまり,「軽量化」を強く意識しているようなのです。
 曽宮さんの記事を読む限りでは,シート・フレームの材質にまで意識を払って,軽量化を狙っているとのことです。もちろん,コスト面での制約が少ない(=相当なプライス・タグが用意されると思われます。)という条件あってのことですが,かなり本気でスーパー・スポーツを仕立てていると見ていいのではないか,と思います。
 インテリア・デザインを見る限りでは,レトロ・モダンです。そして,エクステリアを推理するヒントは,ガルウィング・ドア。となれば,エクステリアにも同じスタイリング・キューが持ち込まれていると考えられそうです。スペースフレームを取り回したがために,開口部を確保するべく採用されたガルウィング。このガルウィング・スタイルを持つのは初代SL,その初期モデルであり,レーシング・フィールドへと持ち込まれたプロトタイプであり。そして,このニュース記事にあるドローイングを参考にするならば,同時期のレーシング・モデルからも引用されている要素はありそうです。


 いずれにしても,メルセデスの歴史に敬意を払ったデザイン・エレメントがあるだろう,と思います。(当然,彼らが掲げるプライス・タグに応えることはできませんが)どういうモデルとしてリリースされるのか,楽しみです。