England, again (欧州カップ戦)。

QFからして,イングランド勢で派手な勝負を繰り広げていましたからね。


 今季もイングランドの存在感,なかなかに強いものがあります。スポーツナビさんにアップされた記事をもとに,欧州カップ戦であります。


 この記事にはありませんが,まずはチェルシーであります。


 アンフィールドでの第1戦が,大きな意味を持ちましたね。90分ハーフの前半,という感覚で見れば,2ゴールのアドバンテージを築いてスタンフォード・ブリッジでの後半に臨むことができるわけです。戦い方にしても,ある程度の自由度を確保していた,と言えるでしょうか。


 対してレッズは,アウェイ・ゴールを無効化することが最低限の要件でした。となれば,スタンフォード・ブリッジであろうと,「攻め倒す」姿勢を貫く以外にありませんでした。


 そして少なくとも,第2戦の前半まではレッズのゲーム・プランに嵌りつつあった,かも知れません。戦い方に対する自由度がともすれば,レッズの仕掛けを受ける姿勢に結び付いてしまったのではないか。ハーフタイムでどのようなコントロールを掛けたか,すごく興味深いところですが,ヒディンクがメンタルを巧みに操縦しただろうことは,容易に想像できます。そして,QFとしてはかなりのハイスコア,というゲームになりましたが,チェルシーがSFへの切符を奪取したわけです。


 対照的に,ある種の手堅さを感じたのはマンチェスターでした。


 オールド・トラフォードで先手を取れるか,というところにまで持ち込むものの,ポルトに追いつかれてしまいます。アウェイ・ゴールを考えるならば,(あくまでも感覚的なものですが)0.5点程度のアドバンテージを相手に持たせたように見えました。となると,典型的な「アウェイ」の戦い方を意識しながら,同時にワンチャンスを確実にフィニッシュへと結び付ける,などという戦い方が想定されます。


 攻撃面も重要ではあるけれど,ポルトに主導権を握られてしまっては意味がありません。守備面で相手をしっかりとコントロールして,第2戦での勝利を狙う。確かにリアリスティックな姿勢ではありますが,カップ戦では安定性も大事な要素です。ある意味,カップ戦らしい戦いをしてSFへ駒を進めた,と見るべきだろうと思います。


 最後に,ガンナーズでありますが。


 こちらはある意味,理想的なQFの戦い方とでも表現しましょうか。アウェイでの第1戦でアウェイ・ゴールを奪う形でのドロー。アシュバートン・グローブに戻っての第2戦では,ホーム・アドバンテージを最大限に生かすかのような戦いぶりを見せ付ける,と。この安定感,トーナメントを駆け上がっていくためには大きな要素になってくれるのではないか,と感じます。


 さて。SFでは「伝統のカード」が用意されました。ちょっとおまけ程度に書き添えておきますと。


 ・・・どちらが戦端を開くかな,といまから楽しみだったりします。


 ユナイテッドと,ガンナーズ


 “ナショナル・ダービー”などという表現も使われますが,個人的には「場外戦」を楽しみにしている部分もあるわけです。瞬間湯沸器(“ヘア・ドライヤー”なんて表現をUKではするようですが)として知られるサー・アレックスが仕掛けて,その仕掛けにアーセンが反撃する,というパターンが多いような印象もあるのですが,実際にはアーセンも仕掛けているようです。


 プロフェッサー,なんて形容が相応しいような指揮官と,「現場監督」なんて言い方をしたくなるマネジャーがぶつかり合う,と考えれば,このエンターテインメントは偶然の産物ではなくて,ある種の必然かも知れないな,などと思います。


 ただアーセンも,サー・アレックスも認めるところですが,


 「このくらいやらないと,面白くない」


という感覚を持って,神経戦を挑んでいるようです。


 プレミアシップの風物詩が,欧州カップ戦でも見られる。SFの真剣勝負とは違った勝負(エンターテインメント)ですが,楽しみであります。