高円宮杯へ“Delayed Start”。

ちょっとだけ,過去を振り返ってみるならば。


 揺れ幅を持ちながら,中野田への距離を詰めてきたような印象を持ちます。


 高円宮杯,というトーナメントが「目標」だった時期を過ぎて,決勝トーナメントをどのように駆け抜けるのか,という「課題」が出てきたかのように感じたのですが,昨季は決勝トーナメントを着実に駆け上がっていった,という印象があります。


 そして,中野田のスタンドにいた誰しもがある種の「衝撃」を受けたと思います。それだけに,昨季のチームという存在が「壁」になるかも知れません。その壁を跳ね返し,高円宮杯への指定席切符,今季もつかんでほしいと思います。


 ・・・まとめにかかってしまいましたが,今回はプリンスリーグについてのリリース(オフィシャル)をもとに,ユースの話など。


 昨季のフットボールは,確かに魅力的なものでした。


 ただ,本当にもったいないと思ったのは,ファースト・チームのフットボール・スタイルとは断絶していて,それゆえに魅力的だったこと,です。


 昨季までのファースト・チームは3を基盤としていましたし,戦術的なコンビネーションというよりは「個」の持っているパフォーマンスであったりイマジネーションに多くを委ねるフットボールだったように感じます。もちろん,チーム・ビルディングの出発点が「個」にあってもおかしくないし,ユースの構築過程を考えてみても,恐らくは「個」を意識したものだっただろう,と思います。思うのですが,最終的に表現されたフットボールには,大きな差異が生じていたように感じます。


 その差異が,今季以降は小さくなってくれるはずです。


 ファースト・チームが狙うフットボールは,昨季ユースが表現したフットボールとの共通項を持つものだと思います。そして,ユースを担当するコーチング・スタッフは大きな変更を受けているわけではありません。ユースでプレゼンスを誇示することが,ファースト・チームへのステップを導くかも知れないし,ひいてはファースト・チームにポジティブな化学反応を起こすこともできる,かも知れません。


 フォルカーさんが指揮官となったことで,下部組織とファースト・チームのフットボールが,一定程度の相似形を描くようになったとすれば,楽しみはさらに増すことになるか,と思います。そんなユース,ダラスカップへの参加があった関係で,時差スタートとなりましたがプリンスリーグを戦うことになります。


 初戦は,大宮公園であります。まずは1勝。その積み重ねとして,高円宮杯への指定席切符を奪い取ってほしいですね。そして,その先を見据えてほしい,とも思います。