対名古屋戦(09−05A)。
ユースでの印象が,あまりに鮮烈でしたからね。
個人的にもやはり,中野田の残像を追ってしまうところはありました。また,周囲の期待も高円宮杯でのパフォーマンスを基準に置いたものだったはずです。
まいど1日遅れ,の名古屋戦であります。ありますが,あくまでも限定的な印象にとどまりますので,ちょっと短めに先制点(そして決勝点)を奪取した,原口選手を中心に書いてみようと思います。
チームが今季狙っているのは,「個」を基盤に置いたフットボールではなくて,戦術的な基盤をセットして,その中で「個」をアクセントとするフットボール。
このような表現を使うなら,どこか昨季ユースが表現していたフットボールと重なってきます。彼らのフットボール,その美しさはごく大ざっぱに言ってしまうならば,高い戦術理解度と熟成度がもたらしたものだったように思います。そんなチームにおける,大きなアクセントだったわけです。
チームが原口選手を使いこなせるだけのコンディションになれば。そして彼が,チームの中で自分を生かす形を明確にイメージできるようになれば。
そんな条件が,しっかりとかみ合ったのではないか,と感じます。
攻撃面ではプロフェッショナルという基盤がありますから,迫力やスピードには明らかな差異があります。ですが,守備意識については恐らくかなりの共通項があるはずだ,とも感じます。それだけに,戦術理解の基盤はすでに整備されている,とも感じるところです。プロフェッショナル,というフィールドに変わりはしたけれど,基盤までが大きく違っているわけではない。そんな意識が働いたかも知れません。
そして,43分の仕掛けへと結実していきます。
そして,この仕掛けは「勝ち点3」を導きもした。
シーズン序盤にあって,勝ち点3は単なるチャンピオンシップ・ポイントという意味だけではなくて,チームが指向するフットボール,そのスタイルへの確信を深めていくステップ,という意味も持っているように思います。序盤であるからこそ,どれだけ多くのステップを踏めるのか,意識していくべきだろうと思いますし,想定よりも早く,ステップを踏めているのではないか,と感じるところです。