頑固オヤジの推薦は。
ちょっとばかり皮肉めいたことを言えば。
「敵(アーセン)の敵は味方」
でしょうかね。ただ,“クラシコ”とでも表現したいような舌戦はひとつのエンターテインメントであり,そしてマッチデイがやってくることを感じさせる風物詩のようなものですが,もうひとつの舌戦はさすがにエンターテインメントという言葉,その範疇は超えていたかも知れません。
・・・思い返してみれば,彼らも「場外乱闘」をやっていたような。
このようなシャレはさておいて。冷静に考えてみると,合理的ではあるな,と。
ただ,指名を受けたとしても,その指名をした人物,(少なくとも数季は)オールド・トラフォードのダッグアウトから離れるつもりはなさそうですから,推薦を受けたとしてもどう対応すべきか,困ってしまうでしょうけどね。今回は,スポナビさんの記事をもとに,ひさびさの欧州ネタなどを。
話の中心は,サー・アレックスであります。ユナイテッドを率いる,頑固オヤジなスコティッシュ,であります。数季前は確か,フットボールから距離を置くようなことを言っていた記憶があるのですが,今回は「まだまだ満足しているわけではないんだよ」というコメントでありまして。
いや,まったくおっしゃる通りでしょう,と思う話です。
確かにサー・アレックスがチームを預かってからの戦績は,決して悪いものではありません。ありませんが,欧州のプレゼンスに限定して言うならば,及第点には届かないかも知れない,と思うところがあります。1998〜88シーズンに「やっと」2つめのビッグ・イヤーを奪い取ることができているわけですが,クラブの持っているポテンシャルを思えば,もうちょっとビッグ・イヤーを集めていてもおかしくはないはずです。サー・アレックスも同じような印象を持っているようで,欧州でのプレゼンスをさらに高めていきたい,そのためにもファースト・チームの指揮を執り続けていきたい,ということなのでありましょう。
であれば,サー・アレックスが自身の後継にかつてスタンフォード・ブリッジのピッチサイドにいたジョゼを推薦,というのは「予定は未定にして・・・」の典型例ではあるのですが,面白いな,と思うわけです。
オールド・トラフォードも,そしてスタンフォード・ブリッジもタレント集団であります。そのタレントを的確に掌握し,戦術的な要素などの「規律」で束ねていく。戦術的な部分に長けているだけでなく,人心掌握面であったりメンタル・マネージメントという部分でしっかりとした能力を持っていなければ,なかなかチームを動かし続けられないだろう,と感じさせるクラブです。
と考えてくると,確かに悪くないな,と。
エキセントリックな側面がアウトサイドからは見え続けていたひとですが,実際には相当緻密な人心掌握をしていたようですし,当然,戦術面での重要性を意識していたのは,彼が率いていたチームを見れば理解できるところでもあります。
さて,数季後。
本当に,サー・アレックスの推薦通りになるのかどうか。個人的には,ジョゼに引き受けてもらいたいところです。