戦闘的なボクサーBMW。

ドゥカティ的,と言っては失礼にあたるでしょうか。


 基本的な設計は,恐らくレーシング・バイクと同じ。そのレーシング・バイクに保安装備を必要最低限装着して,ストリート・リーガルとして位置付ける。いままでのBMWでは,ちょっと考えられなかった車体であるように思えます。



 今回は,フットボールを離れてバイクな話をBMW Motorradさんのページをもとにしよう,と思います。


 あくまでも,個人的な印象ですが。


 どちらかと言うと,BMWは“グランド・ツアラー”として意識していたところがあります。オープンロードで積極的にハンドリングを楽しむ,というよりは,ライダーに対してストレスをかけることなく安心して長距離を走破できるという方向性を意識したバイクだったように思うのです。
 そして,BMWを特徴付けるエンジン形式も,ツアラー志向を裏付けるものだったように感じます。彼らのアイデンティティであるボクサー・エンジンは,バンク角を稼ぐには確かに不利なレイアウトです。
 ただ,本格的なスポーツが苦手か,と言えば,そんなこともないのだろう,と。確か,鈴鹿8耐にボクサーを搭載したBMWが戸田隆さんのライディングで持ち込まれたことがあったと記憶していますし,戸田さんは自身のショップでボクサーBMW向けのパーツをリリースするなどされています。


 と,意外にスポーツ適性の高いボクサーBMW。そのスポーツ性を,徹底的に高めたのがHP2Sport,というわけです。
 スペックシートを見てみると,車体重量が目を引きます。ガスだったりオイル,冷却水を差し引いた重量ではなくて,走行可能状態での車体重量で199kg,とのことです。であれば,133psというパワーであっても,かなりのパフォーマンスを発揮できるだろうな,と思います。
 そしてエンジンは高回転を狙った設定ではなく,むしろ中回転型,とでも表現すべき出力特性を持っているようです。となれば,ちょっとしたスロットル・レスポンスだけで加速を引き出したりすることができるのではないかな,と。


 ピーキーな設定ではないにしても,スポーツはできる。
 BMWが解釈する,スポーツ。さすがに,そのスポーツを味わうにはビックリするようなプライス・タグがかなりの障壁でありますが,個人的には魅力を感じています。