100(26)ゲームの実戦強化。

らしさ全開!なヘッドラインではありますが。


 ひとりのフットボーラーがこなすべき試合数ではなくて,ファースト・チームが「通算して」こなすべき試合数が100ゲーム前後になる,かも知れませんという話ですね。


 でありますれば,通常カウントされない試合がカウントされています。いますし,その対象となっている選手も,スターターとは限らないのです。


 2006シーズン,大住さんがMDPに寄稿したコラムにあった「永久陣地」,ほぼ同時期に加部さんがサッカー・ダイジェスト誌に寄稿したコラムで使った「浦和B」という単語,その示唆した形への端緒,とも言えるかも知れません。


 さて,今回は浦和が年間100試合!?フィンケ流強化計画という,なかなかキャッチーな見出しの日刊スポーツさんの記事をもとに。


 さすがに,フォルカーさんのリクエストは的確であります。


 タネ明かしに浦和からのリリースを持ち出しますと,今季組まれているサテライト・リーグのゲーム(6ゲーム)に加えて,トレーニング・マッチを20ゲーム程度組んでほしい,というリクエストをクラブ・サイドに対して出している,とのことであります。


 つまり,正確には100ゲームではなくて,()で表記した26ゲームと書くべき話であります。的確であると同時に,重要なリクエストだな,とも感じます。


 ちょっと考えてみますに。


 フットボーラーとして持っているポテンシャル,あるいはパフォーマンスという部分で,スターターに近い位置にいる選手,逆にスターターに食い込むには足らざる部分を持つ選手,というラインは,当然ながら存在します。であれば,シーズンを戦う中で中核として位置付けられる選手と,必ずしも中核としての位置付けではない選手とが分かれるのも,また当然でしょう。


 ただ,主力選手が,シーズンを通じて100%のコンディションを維持し続けることができるでしょうか。小さな負傷を抱える可能性もありますし,ケースによってはチームからの離脱を考慮しなければならないかも知れません。また,コンディションに問題がなくとも,累積警告によるサスペンションも考慮すべき要素です。そのときに,どれだけチームのパフォーマンスを安定させることができるか。2007,そして2008シーズンの浦和にあって,積み残された課題でもあります。


 フットボーラーのコンディションが,あるいは不在がチームのコンディション,チームが表現すべきパフォーマンスに直結するような事態を回避し,スターターを構成する戦力,その変化に可能な限り左右されない状態を維持するために,できるだけ戦力的なギャップを縮めておく。そのためにはリーグ戦を実際に戦うスターターと,リーグ戦を戦っていない選手との間でゲームを通じた負荷,という部分で大きな差があってはならないし,スターターとほぼ同じトレーニング・スケジュールからゲームへ,というリズムでコンディションを維持していく必要がある。


 「個」の持っているアドバンテージを全面的に否定することなく,同時に「個」への過度の依存を排除し,“チームとしての”安定したパフォーマンスを常に意識する。


 そんな意識があって,今回のリクエストになったのだろうと思います。対戦相手は,大学リーグ(1部リーグ校であったり,2部上位校),あるいはJFLレベルのチームということになるでしょうが,ともすれば,このトレーニング・マッチから「新たな発見」があるかも知れませんし,メリットはかなり大きいのではないか,と感じます。