対フィンランド戦(KCC2009)のことなど。

ちょっと厳しめのことを言うならば。


 テストと言うには,いささか不十分なテストだったかも知れません。もちろん,対戦相手のコンディションであります。


 ありますが,狙いがブレている部分も感じないではなく。さらに,必ずしもフィットしているとは言いがたい相手に対して,「悪癖」を出したのも間違いなく。ターゲットとすべきオーストラリア戦へのジャンピング・ボード的な意味合いとしてはいいかも知れませんが,いささか・・・,と思います。


 まいど1日遅れ,でフィンランド戦であります。いささか時期的に遅れてますので,ごく簡単にまとめて。


 まずは,ポジティブな話でありますが。


 「地上戦」のイメージが,フィニッシュへと(曲がりなりにも)つながったことでしょうか。ショートレンジ・パスと,積極的なラン・プレイによって,相手守備ブロック,その背後にあるスペースを陥れ,決定機を作り出す。そんなフットボール・スタイルを,立ち上がりの時間帯から積極的に表現できたことはポジティブに考えておいていい部分だろう,と思います。


 思いますが,リズムを掌握していた前半の段階でもネガティブはチラチラと見えていたように思うのです。


 やはり,ディフェンスのイメージがズレる時間帯があるのです。ズレていないとしても,相手ボール・ホルダーへのアプローチが遅れる時間帯があります。そのときに,シンプルにボールを繰り出されてしまう。中盤でシッカリとボール・ホルダーに対する守備応対ができているから,守備ブロックの守備応対が安定していく,という部分があるのですが,チームの意識が攻撃面に傾いている時間帯に,高い位置からの守備が機能不全を起こしてしまうと,途端に守備ブロックがスピード勝負に持ち込まれてしまったり,あるいはボール・ホルダーを追い掛けるような守備をしなければならなくなる。


 仕掛けを強めているタイミングだからこそ,守備意識にも意識を振り向けておかないと,嫌な形で失点を喫することになる。フィンランドだったから決定的な破綻を生じなかっただけで,1週間後の対戦相手ではその「僅かな隙」が勝負を分ける可能性も否定できません。


 失点を喫することとなったセットピースを含めて,残念ながら課題をキャリーしている部分も見受けられます。


 ・・・さて。あえてネガティブにウェイトを掛けてみましたが。


 パッケージとしては間違いなく,バーレーンでのパッケージよりも安定していたような印象はあります。戦術的なイメージに,大きなズレを生じていない,とでも言いましょうか。このパッケージを,どのようにモディファイしていくか。欧州組というタレントが,このパッケージの持つ戦術イメージを増幅できるように,ある意味で「パーツ」として組み込めるかどうか。


 むしろ,大きな問題として考えるべきは,こちらかも知れません。