6月の「未来予想図」。

ハッピーなものか,それともアンハッピーなものか。


 それも大事だとは思うけれど。


 存在感を存分に見せつける,そんな絵が描けるといいかな,と。


 指揮官が指揮官ですから,やっぱり期待しますね。今回は,“Number”誌(721号)に掲載されている大友さんのショート・コラムをもとに楕円球な話,であります。


 大友さんは今回のコラムで,ラグビー・ジュニア世界選手権(JWC)を戦う代表チームを取り扱っています。さて。ジュニアとはU20であります。ちょっと考えてみると,日本では微妙な位置付け,とも表現できる年代かも知れません。大学リーグで主力を構成する選手層,その直下に位置する世代です。もちろん高いポテンシャルをみせる選手も多く存在するはずですが,実際にポジションをトップ・チームで奪い取り,リーグ戦をスターターとして戦っている選手はそれほど多くもないはずです。高校選手権でひとつのピークを経験して,大学でのピークへと向かおうとする,そんな段階の選手たちが恐らくは多数を占めることになるはずです。


 そんなチームを率いる指揮官は,かつてブレイブルーパスにシルヴァー・ウェアをもたらした薫田真広さんであります。東芝府中時代はBKに重心を置いた戦いを挑んでいた印象がありますが,薫田さんの構築したラグビーは,BKの持っている機動性を失わせることなくFWのような強さ,激しさを要求すると同時に,FWにもクイックネスを要求する,ユニットとしてのラグビーでした。そのラグビーを,どう年代別代表で表現してくれるのか,という興味があるわけです。


 薫田さんがコメントしているように日本が招致を狙う2015年のRWCでは彼らがジャパンの中核を構成するものと思いますし,構成するようでなければなりません。「継続的な強化」を意識すれば,決して見落としてはならない世代です。


 単純な勝敗で言うならば,恐らく厳しい未来予想図を描かざるを得ないでしょう。薫田さんも指摘するように,ラグビー・ネイションズにおけるこの年代はプロフェッショナルであり,しっかりと実戦経験を重ねている選手も少なくありません。対して,チーム内競争にしっかりと食い込めるかどうか,という段階にあって,間違いなく実戦経験という要素を思えばバラツキのあるジャパンU20。


 ジャパンを率いるJK,彼が狙う「日本らしい」ラグビーフットボールとの整合性を保ちつつ,薫田さんが東芝府中時代から表現してきた,ユニットが崩れることなく守備を仕掛け,攻撃を組み立てていくというラグビーフットボールを,恐らくは見せてくれるはずです(と言いますか,期待したいところです)。そして,プロフェッショナルを相手に,決して引かないメンタルの強さであり,ハートの強さをフィールドに表現できる(キーワードは,「超武闘派」とのこと。)選手たちがリスティングされ,スコッドへと絞り込まれていくはずです。


 RWCに先駆けて,このトーナメントは日本で開催されます。ラグビー・ネイションズの戦いももちろん楽しみですが,ジャパンの将来像が見られるかも知れない,という意味で,楽しみにしています。