「禁止令」から推理する基盤。
楽しみな「禁止令」ですよね。
と言いますか,実にトレーニングらしいトレーニングだな!と思います。
昨季は,トレーニングでメディアさんに取り上げられたことはほとんどなく,あったとしてエル・ゴラッソさんの辛辣なコラムでしたから。
それはともかくも,です。
判断スピードを引き上げようとするならば狭いグリッドを使ってボール・タッチ数を制限してみたり,あるいは機動性を引き上げようとするならば,5on5くらいでフル・コート,なんてこともあるかも知れません。
ちょっと「禁止令」という言葉に乗っかるならば。
どれだけ,戦術練習の中で「禁止事項」が増えるのか。「禁止事項」には,フォルカーさんが意識しているフットボール,その要素が間違いなくあるな,と思うのです。
09スペック,その基盤を作り上げるまでは“フリーハンド”はないでしょう。戦術的な浸透が図れた段階で,アクセントがつけられる。DNAを乗っけるのは最終段階でいい,と思っているのではないでしょうか。そして,実戦へと今季のフレームを持ち込むつもりだろう,と。
そんな推理をしています。そういう意味では,こちらの記者さんが使った「禁止令」という言葉,悪くないと思います。
正確には「練習試合」でありますが,あくまでも戦術,その基礎的な部分を具体的にイメージしてもらうための試合でしょうから,練習と位置付けていいでしょう。そこで,条件を付けてみた,と。
ともすれば,イビツァさんの専売特許と思ってしまうところもあります。木村さんの本でも,シッカリ取り扱われましたしね。
ただ,そんなこともないのです。確か,どこかで見たな,と湯浅さんのHPをひっくり返してみると,見つかりました。詳しくはリンクを参照いただきたいと思いますが,湯浅さんがインタビューした相手である清水さんは,まだ高校生だった俊輔に,「ある意識」を徹底させるために,かなりの条件を付けたゲーム(形式のトレーニング)を課したのだとか。イビツァさんがトレーニングを通じて意識させようとしたことと,ほぼ相似形ではないかな,と思います。
09スペックの基礎となる要素を徹底するためには,その要素を強調したいはず。ならば,「禁止令」を発するのも当然だろうな,と思うのです。
トレーニング初期段階での禁止令ですから,09スペックの絶対的な基盤がショートレンジ・パスだったり,ミドルレンジ・パスだということ,そしてポジショニングの柔軟性も基盤として位置付けられている,という感じに理解しておけばいいかな,と思います。