スポーツバック。

不思議と市民権が得られない,5ドア・ハッチバック


 実際には,かなり便利だと思うのですけれどね。ステーション・ワゴンほどにはラゲッジが大きくはありませんが,実用上でそれほどの不自由を感じる局面は多くないと思います。むしろ,後方に広大なスペースがないために,意外なほどノッチバック(セダン・ボディ)と変わらない眺めがリアビュー・ミラーにはあったりします。パッケージだけを思えば,最も実用性が高いかも知れません。


 そんな5ドア・ハッチバックですが,モータースポーツの世界でもベース車両として使われるケースが増えてきています。となると,モータースポーツ方面も期待したいところです。



 今回は,三菱さんのプレスリリースをもとに,ちょっと屋号な話を。


 ギャラン・フォルティスに追加された,“スポーツバック”というモデルであります。


 フロント・フェイスはどちらかと言えば,フォルティスではなくてランサー・エボリューション的な仕立て方ですし,フォルティスよりもスポーティな方向を狙っていることがうかがえます。実際,最もスポーティな仕立てとなっている“ラリーアート”ではランサー・エボリューションと同じくエア・アウトレットが穿たれたエンジン・フードを採用しているとのことですし,スポーティなフォルティスにして,ちょっとディチューンされたランサー・エボリューション(でも5ドア)という位置付けのようです。


 そこで楽しみなのが,5ドア版のランエボなのです。


 WRCでは,さすがにボディ・サイズの大きなセダンをそのまま投入させるわけにはいきません。シトロエンにしても,フォードにしてもWRカー規定をしっかりと読み込んだ結果としてでしょう,ハッチバック・ボディを選択していますし,スバルも現行型インプレッサを開発するにあたり,(欧州市場でのセグメントも意識しての結果でしょうが)ハッチバック・ボディへの変更をしています。


 いまでも,三菱はプライベティアにとって戦闘力のある車両を提供しているメーカです。その戦闘力をさらに高めるには,ディメンションに手を入れる必要もあるはずだし,その変更はWRカーへのベース車両,という意味においても大きな意味を持つはず。現段階では,単なる追加モデルについてのリリースですが,モータースポーツ・ファンにとっては「その先」を期待させるモデルでもあるように思えるのです。