排気量アップ。

確か,911も同じ道筋でしたね。


 と言っても,リアルタイムで理解できるのは930最終期以降,なのですけども。ポルシェシンクロ最終年,の930は免許適齢になる前の話で,CGTVを通じての知識でありました。感覚的に理解できるようになるのは,(もちろん,新車で買えるような財力はないけれど)カレラ4が先行してリリースされたあたりであります。そこから964,993と排気量が上がっていきます。


 商品として熟成度が上がっていくのと,排気量が上がっていくのがシンクロしている。となると,ボクスター,あるいはケイマンも着実に熟成過程にあると言えるでしょうか。


 ひさびさに,屋号な話です。webCGさんのニュース記事をもとに,ポルシェの話など。


 このボクスター,個人的には(スティック・シフトが大好きではあるのですが,あえて)PDKをオススメしてみたいな,と思います。しかも,“S”が付かないスタンダード。“S”仕様ですと,排気量は3.4リッターで,限りなく911に近づいてしまいます。となると,どうしても911と比較してしまうことになるかな,と思うのです。


 物理特性だけで言えば,ミッドシップ・レイアウトを採用するボクスター,さらに言えばクローズド・ボディを持っているケイマンが圧倒的に有利なはずなのです。でも,ポルシェは巧みに911の位置関係を維持している,と指摘する向きがあって,私もその意見に同意,なのです。つまり,意図的にリア方向のボディ剛性を落とし,絶対性能を(トータル・バランスを崩さない程度に,でしょうが)落としているようなのです。ポルシェの代名詞である911はあくまでも最上位である,と。となれば,あえてSを選ぶ必要はないし,Sを買うのならばもうちょっと貯金を頑張ってからスタンダードの911を,と言いたくなるわけです。


 そして,PDKはポルシェの個性を殺さないシステムだと思うのですね。


 ティプトロニックは基本的に,トルコンを持ったATです。ですので,高回転を使わずともシフトアップが可能でもあって。確かに,イージードライブを可能にはしたけれど,必ずしもポルシェの個性を最大限に引き出せるシステムだとは思えなかった。ポルシェは(かつてに比べれば,とのことですが)高回転型のエンジンから低回転域でも使えるエンジンへと進化してきていて,大排気量化は低回転域での使いやすさを求めた結果であるともされます。それでも,高回転まで「回せる」エンジンなのですが,ティプトロニックのシフト・スケジュールはこの特性を生かしたものとは言えなかったようです。そのために,ポルシェなのに高回転域まで「回せない」中古車が出てきたとかこないとか。


 それはそれとして。クラッチ・ワークを気にすることなく,でも意図するギアを使いながら走らせる。案外に,スポーツ・ドライヴィングに向いていると思うのですね。であれば,新たなボクスターを選ぶならば,スタンダードのPDKモデル,なんて思います。


 ・・・なんて言ってみましたが。


 中古車フリークとしては違った結論も持っていまして。ボクスターならば,初期モデルが気になります。確かに,低回転域でのトルク不足が指摘されますが(=エンストを誘発する可能性が高い),「回す楽しみ」を感じさせるエンジンでもあります。とは言え,ガレージに収まるかどうか,となると,「予定は未定にして・・・」なのですがね。