2008高校ラグビー埼玉県予選(準決勝その0)。

端的に。楽しみな決勝戦となりました。


 と言いますか,浦和と深谷を気にしていたひとには,いままで扱ってこないで申し訳ありませんでした。期待の裏返し,と言いますか。群雄割拠を期待しているのは確かだけれど,同時にAシード勢が壊滅するなどとは思っていないわけです。Aシード勢の中でも,「渇望感」が高いのは浦和と深谷ではないかな,と思ってもいましたし。


 でありますれば,浦和と深谷に関してはQFの印象を合わせてゲームを書いていこうと思っております。ですので,今回は序論として「その0」。花園への指定席切符争奪戦,である楕円球な話であります。


 決勝戦への距離を着実に縮め,決勝の舞台を踏むに至った浦和。そして,再び近鉄花園へ,という意識を強く持っているだろう深谷。この2チームがトーナメントを上ってきた道筋をたどれば,スタイルの違いが見えてきます。


 比較的ロー・スコアの試合をしっかりと勝ってきた浦和と,川越とのゲームを例外としてほぼ攻撃的に試合を支配してきた深谷。守備的な安定性でゲームをコントロールしようとする浦和に対して,攻撃面からゲームを動かそうとする深谷,という色分けができるでしょうか。カラーこそ違え,Aシード勢が本来のパフォーマンスを発揮した,という見方もできるでしょう。


 対して,今季はノン・シード勢の躍進も目を引きましたが,さすがに準決勝の壁を破るには至りませんでした。攻撃を徹底的にコントロールされてしまった早大本庄と,相手の仕掛けをコントロールできずに失点を重ねてしまった慶應志木。彼らには,この「準決勝の壁」を打ち破るためのアプローチが現実的な目標として見えてきたものと思います。もともと持っている強みを,どの方向に伸ばしていけば,強豪との距離が縮まっていくのか。勝ち上がってきた,という事実を思えば,チーム・ビルディングの方向性は間違っていないはずです。楽しみなチームが増えてきました。


 さて,守の浦和と攻の深谷。違うスタイルを持ったチームで戦われる決勝戦です。どちらが切符を手にするか,ということも大事ですが,それ以上にラグビーの魅力を存分に表現する決勝戦を期待したいと思います。