破綻したメンタル・マネージメント。

シーズン終了まで,できることならば収めておこうと思っていましたが。


 事態は,そういう段階ではないようです。マッチデイ前日に不愉快なエントリになりますが,敢えて。


 シーズンを通じて,「すべての」選手が不満を抱えることがない,などということはあり得ないでしょう。


 プロフェッショナルならば,ゲームに出ることが存在理由。であれば,程度問題として不満は必ずチームに付きまとうはずです。しかし,その不満をチームの基盤が揺らぐまでに増幅させてしまうのか,それともチームのパフォーマンスへと結び付けるのか,という要素はフットボール・コーチの手腕にかかっているはずです。


 選手の心理面を巧みに操ることで,チームが発揮すべきパフォーマンスを増幅させる。プロフェッショナルのチームを率いるのであれば,この種の能力は「必須要件」と言うべきことでしょう。


 そして当然,チーム・ビルディングに「確固たる軸」が通っていることも求められるはずです。


 チームは「誰かのため」にあるのではない。すべてのプロフェッショナルが,チームを動かす要素として機能することが求められる。その時に拠って立つ軸が,“Discipline(規律)”と呼ばれるものであるはず。共通理解とも言えるでしょうか。この要素は,決して揺れ動いてはならないもの,とも言えるはずです。


 チームに通っているべき軸。その軸が失われていることが,残念ながらスポーツ・メディアを経由して伝わってしまっています。規律を重視するチームならば,そもそも許されない行為ですが,チームを掌握しているべき指揮官が,ゲーム・マネージメントのみならずメンタル・マネージメントでも失敗していることもまた確かなこと。チームに軸が失われている証拠,とも言えるのです。


 シーズン最終盤。決して手綱を緩められない時期だからこそ,危機的な状態は放置されるべきではない。然るべき決断が求められるものと思います。