2008高校ラグビー埼玉県予選(3回戦まとめ)。

Aシードの位置を長く占めていたのは,県北エリアの強豪校でした。


 今季も,トーナメントの中心にあるのは正智深谷深谷,そして熊谷工でしょう。


 そのAシードに割って入ったのが,浦和です。それだけ,浦高の戦いぶりは安定してきたということでしょう。3年というタームでどうしてもチームを再構築しなければならない高校チームですが,しっかりとしたチーム・ビルディングに成功している,とも言えるはずです。そして,結果としてラグビーの勢力地図に変更を加えることができた。ただ,今度は「マークされる立場」に立つことにもなります。彼らが,Aシードとしてどこまでトーナメントを駆け上がれるか,注目したいと思っております。


 まったくの前置きなしで本題へと突入しておりますが,ラグビーフットボールの話です。


 高体連ラグビー専門部さんが用意してくれているページをもとに花園への切符,その争奪戦の話であります。


 現在は3回戦までが終了していて,次はQFであります。そこで,ごく簡単に3回戦のまとめを,と思います。思いますが,ちょっと今回は視点をひねってみます。


 ノン・シード勢に絞ってみよう,というわけです。


 まずは,早大本庄であります。残念ながら実際に早大本庄の戦いぶりを見ているわけではありませんから,ファイナル・スコアからの印象だけで言うならば,守備的な安定性にウェイトを掛けた攻守バランスを持っている,なかなかのチームのようです。そんな印象は,Bシードである浦和工との3回戦,そのファイナル・スコアからも感じることができるように思います。浦和工はコンディション面で問題を抱えていたのか,このトーナメントでは思うような加速ができなかったように受け取れます。そんな相手にリズムを譲り渡すことなく,しっかりとQFに上がってきました。


 次に川越ですが,彼らは3回戦へと進出したBシード,立教新座を20−12で退けてQFへと駒を進めています。2回戦でかなり攻撃面が押し出されていたようですが,Bシードとの対戦ということでどこか構えたのでしょうか,2回戦のような破壊力,というわけにはいかなかったようです。


 そして,慶應志木であります。彼らは2回戦から接戦を続ける形で,QFへと進出しています。3回戦での対戦相手は,所沢北。彼らも,ここ数季トーナメントでの存在感を高めてきているチームだという記憶がありますが,このゲームのファイナル・スコアもそんな印象から大きくかけ離れるものではありませんでした。実績という観点から考えるならば,彼らがノン・シードにして接戦を通じてトーナメントを上がってきているということには,ちょっとした違和感を持ったりもします。確か,2006シーズンには浦和といい勝負を演じたチームでもあるはず。ちょっと,チーム・ビルディングという部分で浦和に離されてしまったかな,とも思いますが,恐らく「最低限の目標」としてQF進出は意識していたでしょう。


 QFとなると,いよいよ強豪校との対戦が不可避です。・・・間違いなく扱うことになるので,今回は回避してみた,というわけですね。


 それはそれとして。ラグビーフットボールは比較的,チームの実力差がスコアへと反映されやすい競技だと思いますが,心理面がゲームに与える影響も大きなものがあります。Aシード,という存在を不要に大きく感じてしまえば,相手が見せている隙を突けるはずが,突けなくなる恐れもあります。ノン・シード勢には楽しんで(100%のファイトを挑んで)ほしいと思います。